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国連安全保障理事会は27日、イラク問題で非公開の協議を行った。先に提出した新決議を採択して査察の打ち切り武力行使を容認するよう求める米英と、覚書を出して査察の継続・強化を提案する仏独の主張は平行線をたどり、査察団の報告を受けて来週に想定されている協議の日程も決められなかった。中間派の6非常任理事国の間からは、5常任理事国が歩み寄って統一見解を示すよう要求が出た。
複数の外交筋によると、約4時間に及んだ協議で両陣営はそれぞれの主張を繰り返すにとどまり「極めてひどい雰囲気だった」という。協議後、議長のデラサブリエール仏国連大使は「安保理の存在が問われるとき」と語ると同時に、安保理内ではなお仏独の「査察継続」の主張に支持が多いと語った。
一方、英国のグリーンストック国連大使は「決議1441はイラクに即時、無条件の協力を義務づけるが、まったく実現していない」と決議案採択を強く求めた。外交筋によると、米英とも決議案の内容を変更する姿勢は一切見せていないという。
こうした中で、28日に配布される査察団の新報告書を受けた協議を3月7日に想定していた日程が、最終的に合意できなかった。米英は前倒しを、仏独はもっと遅い時期を主張しているようだ。
この「袋小路」状態に、チリのバルデス国連大使は協議の席上、「安保理、とりわけ重大な責任を負う常任理事国が団結する必要性」と「分裂したまま非常任理事国に最後の決定を担わせる理不尽さ」を説き、5常任理事国に統一見解を出すよう求めた。この意見に、まだ態度を表明しかねているメキシコやパキスタンなど6非常任理事国の多くが賛同した。
バルデス大使はまた、安保理の理事国ではないカナダが25日に提案した「橋渡し案」を両陣営が拒否していることに強い不満を表明した。カナダ提案は両陣営の主張を取り入れた折衷案で、(1)イラクに順守項目を示し、3月28日まで履行を求める(2)これを受けて同月末に安保理が武力行使を含めて対応を決める――という内容。
しかし、グリーンストック英大使は「協議ではカナダ案のことなどまったく出なかった」と無視する姿勢をとった。中間派の中にも、カナダ案は「期限が短すぎ、武力行使容認案に近い」(パキスタンのアクラム国連大使)という指摘もある。
(10:25)