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【ワシントン=菱沼隆雄】米政府高官は26日、北朝鮮が94年の米朝枠組み合意によって稼働を停止させていた寧辺(ヨンビョン)の黒鉛減速炉(5000キロ・ワット)の再稼働に踏み切ったことを明らかにした。米国が軍事力行使を念頭に最優先課題として取り組むイラク問題が山場を迎えたことを好機ととらえ、揺さぶりにでたものと受けとめられており、米政府も態度を硬化させている。
北朝鮮の当局者はすでに今年1月下旬、「数週間以内に電力生産を開始する」として、近く黒鉛炉を再稼働させる意思を明らかにしていた。
国家安全保障会議のマコーマック報道官は26日、黒鉛炉再稼働について、「平和的、外交的解決を探っていくが、すべての選択肢が用意されている」と述べ、今後の展開次第では、経済制裁や軍事力の行使も排除しない姿勢を示した。また、「北朝鮮は国際社会から一層、孤立化することになる」と警告した。ロイター通信は政府高官の発言として、北朝鮮が黒鉛炉を再稼働させた時期について、「過去24時間以内」と伝えた。だが、兵器級プルトニウムが抽出可能な再処理施設「放射化学研究所」が、再稼働した兆候は見られないという。
国務省筋などによると、北朝鮮が核危機をエスカレートさせていく背景には、予想される米国主導の対イラク戦が終了する前に、米国を二国間交渉に引き込みたい思惑がある。また、韓国の盧武鉉(ノムヒョン)政権が25日に発足したことを受け、連携をとる方針を確認した日米韓の間にくさびを打ち込む狙いもあると見られている。ただ、米政府は多国間の枠組みでの解決を目指す姿勢を堅持している。
米政府は北朝鮮の核兵器開発問題への対応について、北朝鮮が使用済み燃料棒を再処理にかけ、兵器級プルトニウムの抽出に動いた時点を「政治的限界線」と規定し、制裁などに動く姿勢を見せている。このため、北朝鮮が限界線を越えるかが焦点となる。
黒鉛炉は、国際原子力機関(IAEA)が封印し監視を続けていた。北朝鮮は昨年12月に黒鉛炉の封印を解き、IAEAの査察官を国外退去させていた。
(2月27日12:49)