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(回答先: アメリカは民主主義を語る資格が無い…… Re: 【イラクは端緒:「中東対イスラム戦争」との本音を明言】 中東全体の民主化目指す フセイン後で米大統領演説 [共同−産経] 【“ド腐れ価値観”実現に向けた虐殺戦争への加担は亡国への道】 投稿者 たけ(tk) 日時 2003 年 2 月 27 日 19:29:23)
たけ(tk) さんのお気持ちはわかるつもりですが、「アメリカに爆弾を落とされて被治者となった地域の人々をアメリカの政治に参加させるのでなければ、アメリカには民主主義を語る資格はありません」は倒錯したお考えです。
まず、「アメリカの政治に参加させる」というのはどういう意味でしょうか?
そして、民主主義を持ち込むという名目での爆弾投下が民主主義に叶うものですか?
また、イスラムの統治観念をどのようなものだと認識しているんでしょうか?
>民主主義の考えは好きです。
>民主主義の本質は「治者と被治者の自同性(まったく同一であることの意)」です。
理想としては同意ですが、「治者と被治者の自同性(まったく同一であることの意)」ということは原理的にありえません。
まず、民主主義という政治的制度は、ある領域の経済社会を政治的に統治する手段でしかありません。
近代民主主義は、被支配者でありながら投票権を付与されることで、支配される義務と統治者の失敗責任を被支配者が背負う制度です。
(近代民主主義は、被支配者の不満を緩和し徴兵などの義務を正当化するためであったり、経済活動の制約を嫌った勢力が従来的制度を壊すために作り出したものです。別に、それ以前の欧州の政治制度が良かったと主張するものではありません)
ムスリムは、その信仰を共有することでお互いがまったくの平等であるという意識を持っています。
統治者は、イスラム共同体の庇護者であり、イスラム共同体の円滑な運営を担う存在です。その責任を果たせない統治者は背教者であり打倒の対象です。
地域共同体は、投票ではなく、家長を基礎とした会議体でものごとを決めていくという制度を採用していていました。
近代民主主義のように、誰かに政治的決定権をまるごと委ね、その結果の責任だけは負わされるというものではありません。
中東地域における近代国家は、西欧諸国の植民地支配のなかで成立したものです。
イスラムでは本来、近代国家的な意味での国家は認められず、一つのイスラム共同体があるだけなのです。