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(回答先: ヨーロッパにも中国にもロシアにも広がっている可能性がありますね。 投稿者 中央線 日時 2003 年 2 月 27 日 16:54:06)
中央線さん、こんにちわ。
9・11を契機として始められた「アフガニスタン虐殺戦争」をパイプライン敷設など天然資源確保に結びつけて理解する人もいますが、第一義的な目的は、言われるように中央アジアのイスラム世界を抑え込むためだとみています。
タリバン政権は、建前のイスラム厳格主義とは違って、厳格かつ行動的なイスラム主義を基礎にしていました。
その状況を残したまま「対イスラム戦争」を開始すれば、中央アジアのムスリムを反米主義で糾合する核になる可能性が大でした。
ムスリムの同胞意識は、人道主義的で抽象的な世界市民意識を超えたより強固なものです。
「対テロ戦争」という名目が薄まり、「対イスラム戦争」という目的が浮かび上がってくると、ムスリムの密度が高い中央アジアでもイスラムへの糾合が高まり、米英や「対イスラム戦争」を支持したり、それに曖昧な態度をとる政府への反発が強まります。
ブッシュ政権がウズベキスタン・キリギス・カザフスタンなどに部隊を駐留させている最大の目的はそれへの対応です。
シンチアンウイグル自治区を抱える中国も、イスラム主義と独立運動の高まりに苦慮するようになります。
ヨーロッパがイラク攻撃反対に動いているのは賢明です。
フランスには800万といわれるムスリムが生活し、ドイツにもトルコ系を中心に400万を超えるムスリムが生活しています。
フランス政府やドイツ政府がイラク攻撃を支持していたら、状況の推移のなかで、国内で大きな混乱が起きる可能性もあったでしょう。
イラク攻撃を支持しているスペインやイタリアは、フランスやドイツほどのムスリムはいません。
問題は、100万ほどのムスリムがいるといわれている英国です。
米英が叫んでいるように「テロ」が頻発するとは思っていませんが、英国の政治・社会状況が大きく揺らぐことは確かです。
イラク攻撃の影響が及ぶ範囲は、アフリカ(北部から中部にかけてはムスリム多数派)そしてアジア(マレーシア・インドネシア・パキスタン・フィリピンなど)にまで広がります。
もちろん、1000万を超えるムスリムが生活している米国も大きな混迷に陥ります。
ブッシュ政権の治安強化や国土防衛省創設は、そのような見通しに基づく措置だと受け止めています。