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【カイロ小倉孝保】米国がイラク攻撃の準備を進める中、サウジアラビアやヨルダンがフセイン大統領の亡命を画策している。アラブ世界には「フセイン大統領の亡命なくして、戦争回避は困難」との認識が広がっているが、当の大統領が亡命を受け入れる可能性は、現時点ではほとんどないとみられている。
アラブ諸国はイラクの混乱が周辺国に拡大することなどを恐れ、イラク攻撃に反対している。アラブ外交筋によると、特にサウジアラビア、ヨルダン、エジプトの各政府には、戦争回避のためフセイン大統領の亡命を望む声が強いという。
今月初め、サウジのサウド外相は米タイム誌とのインタビューで、フセイン政権幹部らに免責を与えてフセイン大統領を権力の座から退かせる、平和的な権力委譲が望ましいとの見解を示した。大統領の亡命を念頭に置いた発言とみられている。また、米ニューヨーク・タイムズ紙は、ヨルダン政府高官の話として、ヨルダンがフセイン大統領と同政権幹部の亡命計画を推進していると報じている。
しかし、亡命の可能性についてイラク政府は否定を続け、外交筋の間でも「疑り深い大統領が他国政府を信頼して亡命する可能性はない」との見方が支配的だ。アブドラ・ヨルダン国王が「戦争が回避できれば奇跡だ」と発言したのは、大統領亡命の可能性がほとんどないと感じているためとみられている。
アラブ連盟(本部・カイロ)は今月末に予定するアラブ首脳会議で、米国のイラク攻撃反対で一致する見込みだが、一方でアラブにはフセイン大統領への不信感が強いのも確かだ。
イラクは最近、「米軍がクウェートから攻撃を仕掛けた場合、イラクはクウェートを攻撃する」と発言。湾岸諸国は開戦に合わせて、クウェート防衛のために軍を派遣することを決めた。こうした動きが、アラブ内で反イラク攻撃の声が盛り上がらない理由にもなっている。
[毎日新聞2月14日] ( 2003-02-14-20:23 )