現在地 HOME > 掲示板 > 戦争23 > 720.html ★阿修羅♪ |
|
久方ぶりのおめもじです。さて、小生はずっと「米国の対イラク戦争は起きない(米国は開戦できない)と唱えてきました。まあ、別に大した理由があったわけではありませんが。ここへきて「やっぱりクレイジーダブヤでは、開戦になるのか」と思っていましたが、どっこい、そうでもないようです。
ダブヤのイラク攻撃衝動には、さまざまな複雑な理由があるでしょうが、ダブヤの最大の動機は極めて国内向けのもので、政治的自己保身でしょう。最近の米国の大統領では、最も知的レベル、精神性とも低ランク(何しろ、高校の作文の成績が零点!)ですし、そのことは本人もよく分かっているでしょうから(こういうコンプレックスが彼の攻撃衝動の原因だ、という精神分析をしている専門家もいるようですが)、もし9.11が起きなければ、昨年の中間選挙で共和党は大敗し、ダブヤの再選も夢のまた夢。在任2年で早くもレイムダック化していたでしょう。なにしろ連邦予算について、「これは数字がいっぱい詰まっているから
良い予算だ」とほとんど意味不明のことを言っていたようですから、経済など一体、何が分かっているのやら(どこかのライオン
首相も似たようなものですが)。
しかし、9.11で国家危機をあおり、緊張政策を採れば、マスメディアの批判も封じ込められるし、極めてシンプルなナショナリズム高揚演説をすれば、支持率もアップすることを知り、このイージーゴーイング路線に乗っかった。一種の「不支持の丸投げ」路線です。中間選挙対策に側近からイラク攻撃を吹き込まれ、これに乗って「楽をして再選」と考えたのでしょう。
しかし、ダブヤにとっては予想外なことに、シラク・シュレーダー連合が行く手に立ちふさがり、プーチンも同調してきた。さあどうする、ダプヤ、パウエル、ライスよ。(ちなみに小生は、パウエルとラムズフェルドらの対立はあまり重視していません。同じ穴のムジナで、ロール・テイクしているだけでしょう。まあパウエルは軍人ですから、(といっても、ほとんどの軍歴がデスクワークだったようですが)、軍が展開した後まで、和平路線は貫けない、と思って、強硬派に転じた可能性はあるでしょうが。従って、田中宇さんが最新のメールで分析しているような「反戦ムードを盛り上げて、撤兵に持っていくために、過激なことを言っている、というのは、いくら何でも、深読みのし過ぎ、と思いますが。
仏独の抵抗の大きな理由は石油利権といったことよりも、ネオコンサバ派をこれ以上つけあがらせないために、出鼻をくじく、ということでしょう。アフガン戦争が短期間に決着し、「軍のIT化」に自信を深めている彼らがイラクも比較的短期間で戦勝するとなると、「次は北朝鮮、イラン、さうじ、あげくの果ては中国」と言い出しかねません。もちろん、その前に米国経済がパンクするでしょうが、「これ以上、戦争気違いともに好き勝手をやられて、あちこちに親米政権を作られてはたまらない」ということでしょう。これには当然、中国も同調します。
さて、英国(と日本)を除く大国に行く手を阻まれたダブヤ君はどうする。拳を振り上げたまま、立ち腐れる可能性も出てきました。強硬路線は裏目に出ると、打つ手がなくなる。ダブヤ君がどこまでこのことに気がついていたか。