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スペースシャトルが空中分解してしまった。ブッシュ大統領の地元、テキサス州の上空である。初のイスラエル人宇宙飛行士も乗っていたことから、打ち上げ時は軍隊も出動する厳戒体制が敷かれた。着陸時も同様の体制で帰還を待っていたそうだ。対イラク戦が不可避となる状況のもとで、不吉な予感を抱いた人も多い。
アメリカは経済の底割れ懸念が高まっている。対イラク戦の短期終結と、中東の新しい秩序の確立に失敗すると、すべてが逆回転し始める恐れがあるのだ。まさしく正念場。
アメリカの思い描く成功シナリオは、中東の要衝イラクを平定し、親米政権ができれば、産油国イランやサウジへの牽制になるし、民主化も進む。パレスチナ国家をいずれ作るにしても、力による平和によって過激派のテロは封じ込められ、イスラエルの存立と安全が保障される。今や唯一の軍事超大国となった米国が、その覇権を行使することで新秩序を構築すべきだ。一時的に原油価格が上がり、株価が下がっても、大したことはない、という思いなのであろう。あまりにも楽観的なシナリオである。
日本はどうすべきか。イラクが大量破壊兵器を隠し持っている決定的証拠は、未だ提示されていないし、新たな国連決議もまだない。このような段階では、日本が早々と「対米支持表明」というわけにはいかない。しかし、日本はテロ特措法によるイージス艦はすでに派遣してしまっているし、戦争の形態にもよるが、「支持」以外の選択肢は限られている。要は日本の国益を守るにはどのような行動をとるのがベストか、を考えればよい。
一方、北朝鮮のしたたかさは日本とは比べものにならない。金王朝の体制護持のためには、核兵器も作る。日本に対しては、非合法の分野まで含めた人・モノ・カネの支援だけを求める。核カードはあくまで対米向けだ。
そもそも金正日の瀬戸際外交を担保している最大の基盤は、北が通常兵器による抑止力を備えていることだ。山のトンネルに隠れている6,000とも10,000とも言われる大砲が、ソウル目がけて一斉砲撃したら、まさしく「火の海」。米軍の先制攻撃によっても、一度に全部破壊できない反撃力を有することこそが、北の外交パワーの源泉なのだ。米韓にとって、何十万人の死者と何百万人の難民を出す第2次朝鮮戦争というオプションは不可能である。
核開発は体制護持の「おねだり兵器」である。重油・食料・軽水炉等々、経済協力をひき出す「恐怖の取引」だ。常軌を逸した核カードを放棄させるためには、日米韓の協調体制が不可欠である。太陽がまぶしすぎると、サングラスをかけられてしまう。本音隠してのギリギリ外交には強い姿勢で臨む必要がある。