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パウエル演説がパクリだった
【ロンドン7日=鈴木雅子通信員】イラクの大量破壊兵器開発の「証拠」の1つとして、パウエル米国務長官が、先の国連安全保障理事会演説で引用した英情報機関MI6の「機密文書」が、実はイラク系米国人の大学院生が書いた論文の丸写しだったことが分かった。米国がイラク攻撃を正当化するために突き付けた「証拠」の信ぴょう性が揺らぐことになり、文書を発表した英政府のお粗末な対応に「言語道断」と、批判が噴出している。
英紙タイムズなどによると、パウエル長官が演説で引用した「機密文書」は、カリフォルニア州在住の大学院生イブラヒム・マラシ氏(29)が、12年前の湾岸戦争時の情報を基にして書き、中東情勢専門誌に発表した論文からの“盗作”だった。パウエル演説後、ケンブリッジ大の研究者らの指摘で発覚した。
機密文書は「イラクの隠匿、虚偽、脅迫の組織」と題され、イラク攻撃に向けて米国と歩調を合わせる英政府が、このほど発表したもの。英情報機関「MI6」による報告とされる。19ページの文書の、6ページ目から16ページ目までのほとんどが、マラシ氏の論文で、つづりや文法の間違いまで同じだったという。それだけでなく、もとの論文がイラク治安機関について「敵対政権の反対勢力を援助」と記したのを「テロ組織を支援」に、「外国大使館の監視」を「外国大使館をスパイ」と、より挑発的な表現に誇張して書き換えてあったという。
マラシ氏は、中東地域での化学兵器やミサイルの開発実態を研究。イラクに関する数多くの文献に通じており「英政府は私に情報の確証を求めには来なかったが、内容は正確なはずだ」と、今回の騒動を皮肉っている。
イラク攻撃の正当性を国際社会に主張することが目的だったパウエル演説の一部が“盗作”だったことになり、ホワイトハウスは赤っ恥をかかされたようなもの。英政府の報道官は「情報機関の機密情報だけでなく、その他の情報源にも基づくと断っている」と開き直ったが「情報の出元がどこかについては機密上言えない」と述べ、論文の丸写し疑惑自体は否定しなかった。