現在地 HOME > 掲示板 > 戦争23 > 363.html ★阿修羅♪ |
|
【カイロ=平野真一】アンカラからの報道によると、トルコ国会は6日、米国に対し、トルコ国内の軍事基地などの整備を認める政府案を賛成多数で可決した。対イラク戦での米軍展開をにらんだ軍事協力の第1弾。
トルコ政府はさらに、イスラム教の犠牲祭明けの今月18日ごろ、米軍部隊のトルコ展開承認案を国会に提出する予定で、可決されるのは確実。米国は、クウェートやペルシャ湾上の空母などイラク南方の主力出撃地に加えて、北方にも出撃地を得ることになり、開戦への態勢が大きく前進することになる。
可決された動議は、今後3か月にわたり、陸軍工兵部隊など米軍要員が軍事基地や空港・港湾施設などの整備や改良・拡張を行うことを認めるもの。非公開での審議では賛否両論が激しく戦わされたが、与党の穏健イスラム政党・公正発展党(AKP)が過半数を握ることから、賛成308、反対193で可決された。
基地整備に当たる米軍要員数は不明だが、トルコ各紙は3500人程度と報じている。
米軍にとってトルコからの出撃は、イラク軍に南北2方面作戦を強いる点で不可欠とされる。このため、マイヤーズ米統合参謀本部議長ら米軍高官がたびたびトルコを訪問し決断を迫る一方、戦争に伴う経済的打撃を緩和するための経済支援を提示していた。
一方、トルコは、対イラク戦は経済的打撃を及ぼすだけでなく、両国にまたがる少数民族クルド人の独立機運を高めるとして強く反対してきた。だが、軍事協力問題の結論をいつまでも引き延ばせば、同盟国・米国との関係悪化を招きかねないとして、協力に踏み切った。ギュル首相は6日、「トルコ軍が戦争に参加するわけではない」と強調。エルドアンAKP党首も「道徳的には平和を望むが、トルコにはトルコの国益と安全保障がある」と述べ、苦渋の決断だったことを強調した。
(2月7日10:29)