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02/03 17:43 投票禁止発言に若手僧反発 カンボジアで新たな火種 外信55
共同
七月の総選挙に向けた有権者登録が行われているカンボジアで、
最大仏教会派の最高位僧テプ・ボン師の「僧は投票にいくべからず
」との発言が波紋を広げている。「僧は中立であるべきだ」という
のが理由だが「自分こそ政治的に偏っている」との批判が若手僧の
間から公然と出始めており、一月末の反タイ暴動を機に激化してい
る与野党対立の新たな火種になりそうだ。
問題の発端は、同師が昨年、もう一つ仏教会派のボウ・クリ師と
連名で出した同趣旨の布告。一月二十日には宗教問題相に同じ考え
を伝えた。
ところが翌日、テプ・ボン師が住職を務めるウナロム寺院の若い
僧二十人が最寄りの役所で有権者登録を強行。憲法は十八歳以上の
投票権を規定、僧の投票を禁じる法律もないため、布告を理由に断
ろうとした役所も渋々受け付けた。
国民の多くが敬けんな仏教徒とされるカンボジアでは、最高位僧
はシアヌーク国王さえ敬意を払う権威。それだけに、身内の僧の造
反は極めて異例だ。
登録した僧(26)は「腐敗した人民党は支持しない」とフン・
セン首相の与党を批判し、「師は人民党の支持者だ。師の教えより
憲法の方が上。布告を守る僧は二―三割にすぎない」と話す。
テプ・ボン師が「完全な人民党寄り」(地元記者)とされる背景
には、仏教を徹底的に弾圧した一九七五―七九年の旧ポル・ポト政
権を崩壊させた人民党政権が、空席だったモハニカイ派最高位僧に
同師を選んだ経緯がある。同派は政権との関係を基に勢力を拡大、
現在は全国の僧約五万六千人のうち98%が同派に属する。
一方、寺院は教育機関の機能を果たしてきたため、僧は高学歴者
。社会問題にも敏感で、野党支持者も多い。九八年の前回総選挙直
後、選挙のやり直しを求める野党サム・レンシー党のデモには数百
人の僧が参加した。
同党はテプ・ボン師の布告を「人民党に批判的な若い僧に投票さ
せないための政治的決定だ」と糾弾する。これに対し、同師は「敵
の批判は気にしない」と、強気の姿勢を崩していない。
反タイ暴動をめぐっては、フン・セン首相が、首謀者はサム・レ
ンシー党の党首との考えを示唆。同党首は、タイの女優がカンボジ
アを侮辱する発言をしたとの未確認報道を真に受けた首相を批判す
るなど双方が激しく対立している。(プノンペン共同=佐藤親賢)
(了) 030203 1743
[2003-02-03-17:43]