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(回答先: タイがカンボジアとの戦闘を想定、準備 反タイ暴動でと報道 投稿者 倉田佳典 日時 2003 年 2 月 01 日 18:40:17)
02/01 21:55 首相、ずさん記事うのみ プノンペンの反タイ暴動 外信80
共同
カンボジアとタイの関係を一時は断交寸前に追い込んだプノンペ
ンの反タイ暴動は「タイの女優が『カンボジアはアンコールワット
を盗んだ』と発言した」とデマを伝えたカンボジア紙のずさんな記
事が発端だった。未成熟な自国メディアをうのみにしたフン・セン
首相らも暴徒化をあおり、対応に遅れた。
底流には、古くからタイに領土を侵犯されてきたことや経済的に
圧倒的優位に立つタイ・バーツ経済の「侵食」への反発という油が
流れていた。デマ報道が油に火を付け、ナショナリズムを爆発させ
た。政治、経済的に重要な隣国で東南アジア諸国連合(ASEAN
)の最有力国タイを怒らせ、面目を失墜させたフン・セン政権の代
償は大きい。
▽首相発言で暴徒化
きっかけは、タイの人気女優スワヌン・コンギンさんの「発言」
を一月中旬に報じた地元紙ラスメイ・アンコール紙。同じデマを各
紙やラジオ局が確認しないまま追いかけた。
フン・セン首相は一月二十七日、スワヌンさんを「アンコールワ
ットの草一本にも値しない」と非難。この二日後、散発的だった抗
議活動は暴動に発展した。
タイ大使館が焼き打ちされる数時間前、連立与党、民族統一戦線
のラナリット党首も「この女優に感謝したい。発言がなければ国民
は自国文化の大切さに気付かなかっただろう」と暴動を「評価」。
事態の深刻さに気付いた政府が機動隊を投入した時には、与党、人
民党本部や内務省ビルの正面に位置し、新築間もないタイ大使館は
炎に包まれていた。
タイのタクシン首相は二月一日の演説で「政治的な目的で引き起
こされた事件」とフン・セン首相を非難。英字紙バンコク・ポスト
は同日、抗議デモは七月の総選挙を前に同首相の人気を高めるため
に計画されたとの報告をタイ軍情報当局がまとめたと伝えたが、真
偽は不明だ。
▽あこがれと劣等感
国境線画定作業が終わっていない両国間には中世以来、領土をめ
ぐる対立がある。国境に位置するプレアビヒア寺院(九―十一世紀
建立)の遺跡帰属問題が国際司法裁判所に持ち込まれたのは一例に
すぎない。十四―十五世紀以来領土を侵され続けたカンボジア人に
はタイへの不信と反感がある。
アンコールワットは国旗にも描かれ、カンボジア人にとっては民
族の誇り。ところが、バンコクのタイ王宮に隣接する寺院ワット・
プラケオには、かつてのタイ国王が作らせたアンコールワットの模
型があるため、タイが若い世代に「アンコールワットはタイのもの
」と教えていると疑っているカンボジア人は多い。プノンペン市民
にとって、スワヌンさんの「発言」が真実かどうかは二の次だった
。
一人当たりの国民総所得はカンボジアが二百六十ドル(約三万円
)なのに比べ、タイは約八倍の二千ドル。カンボジア人の間には、
大量流入する文化、ファッションやバーツ(タイの通貨)経済の「
侵略」への根強い反発に加え、豊かな隣国タイへのあこがれと劣等
感がないまぜになっている。
▽うわさも掲載
カンボジアでは国民の所得水準、識字率が低い。新聞業界でも発
行部数や記者の数が少なく、十分な取材をせずにうわさやセンセー
ショナルな出来事を掲載する傾向が強い。虚偽情報流布の疑いで逮
捕されたラスメイ・アンコール紙の発行人兼編集長イン・シブタ氏
は「発言をテレビで見たという人が数人、新聞社に来て書いてほし
いと訴えた」ため記事にしたと、逮捕前に明かした。自分では発言
の有無を確認しなかったという。(プノンペン、バンコク共同=佐
藤親賢、田辺宏)
(了) 030201 2155
[2003-02-01-21:55]