現在地 HOME > 掲示板 > 戦争23 > 146.html ★阿修羅♪ |
|
【バグダッド小倉孝保】米国のイラク攻撃が現実味を帯びる中、バグダッド市民が戦争への備えを急ピッチで進めている。食料備蓄のほか、家族を地方に移す計画をしたり、国外に避難させるケースも出ている。戦争慣れしているバグダッド市民だが、「今回はこれまで以上に社会が混乱する可能性がある」とささやき合うなど、緊張が高まっている。
バグダッドの住宅地、カッデシーア地区の公務員、ムハンマド・アリさん(50)は妻と9歳から14歳までの子供4人の6人家族。今年に入って食料の備蓄を始めた。現在、自宅倉庫で米75キロ、小麦50キロ、砂糖40キロ、豆30キロ、お茶5キロ、粉ミルク2キロ、料理用油24キロを保存している。
湾岸戦争(91年)の経験から、開戦から数日間は物がほとんど手に入らないことを覚悟している。屋上のタンク(2000リットル)は常に水を満杯にしており、水道が止まれば、飲料用以外には使わない。自宅でパンを焼くための専用釜も用意した。
2月後半には、卵と食肉用にニワトリを10羽、庭で飼育する予定だ。戦争になれば、電気が止まり冷蔵庫が作動しなくなるためだ。また、ニュースを聞くためラジオと電池を買ったほか、混乱に乗じて泥棒が入らないよう自宅に大型のカギを4個付けた。
アリさんは「戦争になるかどうかは分らないが、準備はしておかなければならない。子供が怖がるので、家では戦争の話はしないようにしている」と子供を気遣った。
別の50歳代の男性も米50キロ、小麦100キロ、砂糖25キロ、ミネラル水100ボトル、沸騰させた水150リットルに加え、頭痛薬や胃腸薬などを準備した。さらに国内の混乱に備えてけん銃を150ドルで買い、結婚したばかりの二女を先日、アラブ首長国連邦に移住させた。
男性は「今回は米軍がバグダッドに入ってくる可能性があるため、混乱はかつてないひどさになるはずだ」と予測する。40歳代の運転手は、攻撃が確実になれば、バグダッドの南約80キロのカルバラの親類宅に家族を疎開させる計画だ。
今年に入り、政権政党バース党が自宅で食料を備蓄するよう呼びかけた。また、現在、イラク政府はバグダッド各地で井戸の掘削を進めている。水道が止まった場合、パニックを防ぐためだといわれている。
[毎日新聞2月1日] ( 2003-02-01-18:45 )