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【ワシントン中島哲夫】米政府は30日、対イラク武力行使に踏み切る方針を事実上の前提として、ブッシュ大統領、パウエル国務長官、ライス大統領補佐官(国家安全保障担当)らが各国の首脳や外相を相手に活発な外交活動を展開した。大統領は、こうした外交努力は数週間が限度という姿勢を示し、国際社会に「軍事行動まで時間はない」というシグナルを送った。だが、この日の会談相手から慎重な意見も出され、米国の思惑通り進むかどうかは依然、不透明な情勢だ。
ブッシュ大統領が会談したベルルスコーニ伊首相は、イラク攻撃の際、イタリアの軍事基地を使ってもよいと申し出ている協力派。大統領は会談前、米国の多くの若者が「自由と民主主義」のために戦場で死んだと強調した。
しかし、パウエル長官と会談したカナダのグラハム外相は会談後の共同会見で「国連の枠内で動くべきだ」との趣旨を何度も主張。隣のパウエル長官に「あなたがこの(国連を通じて進む)道を維持するものと理解し、そうするように促したい」と呼びかた。
ライス補佐官と会談したパキスタンのハク外相は記者団に、アフガニスタン攻撃の際にパキスタン政府は国内の反発を抑えねばならなかったと指摘した上で、「イラクでの出来事にも反発が起きるだろう。パキスタンだけでなくイスラム世界全体で」と予測、対イラク軍事攻撃に率直に疑問を表明した。
ブッシュ大統領はベルルスコーニ首相のほか、サウジアラビアのサウド外相とも会談。サウド外相は会談後、「外交的解決」への期待を語った。サウジはフセイン大統領の亡命工作に動いているとされるが、外相とブッシュ大統領はこの問題は話さなかったとホワイトハウスは説明している。
[毎日新聞1月31日] ( 2003-01-31-22:17 )