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OPEN-J BOOMERANG 293【出ました トップ記事に劣化ウラン】
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■転載・転送・大歓迎■
■事務局から■
今年1月6日のNYタイムズに掲載された「アメリカに真実を伝える意見広告」
の未払い金を、本日1月31日支払う事が出来ました。最後の最後で大きな寄付
金が届き、私たちは感動して泣いてしまいました。皆様に感謝いたします。
これまで「NYタイムズ2」として集めておりましたご寄付は、29日の取扱分
までとさせてもらい、それ以降にご寄付いただいたものにつきましては、ワシン
トンポストへの意見広告掲載、ハリウッドのビルボードの費用として使わせてい
ただきます。どうぞご了承下さい。
さて、次はワシントンポストとハリウッド。弱気になるより、ご参加ください。
◆森田 玄◆
以下は最近の新聞に載った劣化ウランに関する記事です。この記事が
サンフランシスコ・クロニクルというメジャー新聞に、それも1面トップに大き
く取り上げられたことは、意味が大きいと思います。ほとんどのアメリカ人は劣
化ウランなど耳にしたことがないからです。
それに、この新聞社はハーストという富豪一家がオーナーで、ウラン鉱山も所有
していることが知られており、その意味でもこの記事は画期的と言えます。
長い記事でもっと要約しようと思いましたが、どれも重要な情報で、このように
長くなってしまいました。
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ウラン兵器とガンとの関連をイラクが指摘
アメリカは再び戦争で使用する方針
(抜粋訳)
(サンフランシスコ・クロニクル紙 2003年1月13日 ロバート・コリエ)
バグダッドの病院では、あとからあとから来る病気のこどもたちで溢れ、そして
子どもたちは死んでいく。アル・マンスール小児科病院では、エマッド・ウィザ
ム医師が病室を巡回していた。5才の喉に腫瘍ができている子を診察し終わると、
ウィザム医師は振り返り苦痛の面もちで、「この子はまもなく死ぬでしょう。こ
の子たちはほとんど助かりません。私たちにはなすすべがないのです。」と語っ
た。
近年、イラクでは子どものガン、白血病、奇形出産が劇的な増加を示している。
ウィザム医師やイラクの医療機関それに多くのアメリカ活動家たちが、1991
年の湾岸戦争と1998年のバグダッドとその他の都市を襲ったミサイル攻撃の
際使われた劣化ウランを含むアメリカ軍の兵器のせいだとしている。また、それ
らはボスニア、コソボ、セルビアでも小規模ながらも使用され、1991年湾岸
戦争時のアメリカ軍復員兵50,000人から80,000人が冒された湾岸戦
争症候群という原因不明の病気の原因であると主張している。
DUとして知られる劣化ウランの健康への影響は、21世紀の最大の医学ミステ
リーとされている。イラク側は証拠は病院や死体安置所にあると主張するが、各
国の専門家は決定的な科学的研究が不足しているとして、判断を控えている。
しかし今度の戦争では劣化ウラン兵器が使用されるのは必至と多くの国防アナリ
ストが指摘しているために、広く一般に論議を呼ぶ問題に発展してきた。
核燃料と核爆弾製造過程で生成される低レベル放射性廃棄物である劣化ウランは
アメリカ、イギリス、ロシアやその他の国々で砲弾とミサイルに使用されている
が、イラクが使用している徴候はない。
【魔法のような威力】
兵器材料としては他と比べようがないほどの魔法のような物質だと専門家は言う。
劣化ウランは鉛より1.7倍の比重をもち、それで作られた兵器がタンクや地下
塹壕に当たるとその壁を通り抜け、爆発して放射性雲を発生する。さらに、劣化
ウランで作られた装甲車は戦場で破壊されることが少ないとされている。
湾岸戦争ではアメリカ軍の飛行機とタンクは320トンの劣化ウラン弾を発射し
た。イラクの健康統計によれば、最近の健康障害増加はアメリカ軍に攻撃された
地域、バグダッド、その南部港湾都市バスラ、北部都市のモスル、キルクークと
一致している。
アメリカの専門家によれば、クウェートでは同じ問題は起きていない。その理由
は、劣化ウラン兵器は主に人口の密集した地域の外で使用され、また、クウェー
トが戦後充分なコストを掛けて使用された砲弾や破壊された兵器を徹底的に除去
したからとしている。
イラク政府によれば、イラク全土で1990年以来子どものガンは5倍、生殖器
異常出産と白血病は3倍に増加している。イラク国民全員ではガンは38%増加
になっている。劣化ウランの半減期は45億年なので、もしガン増加がそのため
だとされると、イラクは永久的にこの病魔にとりつかれることになる。
アメリカ国防総省は今度のイラク戦争に劣化ウラン兵器が使用されるかという質
問に返答を拒否している。しかし、国防総省スポークスウーマンのバーバラ・グ
ッドノは、「劣化ウランはアメリカ軍兵器の重要な構成部分である」ことを認め
ている。ワシントンの国防インフォメーションセンターのチーフアナリストのク
リストファー・ヘルマンは、「間違いなく100%使用される」と断言する。劣
化ウランの毒性が問題になっていることで、アメリカとイギリスの軍作戦指導者
が考えを変えることがあるかと訊ねられて、ヘルマンは、「ないです。彼らの考
えは簡単です。これは戦争であって、破壊された敵の戦車は、その残余劣化ウラ
ンの影響がどうであれ、こちらに砲撃している戦車よりは危険が少ないからです」
と答えた。
しかし、その健康に対する影響がどのようなものかについては熱い議論が交わさ
れている。アメリカ国防総省高官は、イラク市民であろうとアメリカの湾岸戦争
復員兵であろうと、一切の関係性を否定している。彼らは、イラクの主張するガ
ン、奇形出産、白血病の増加報告は1990年の比較ベース値そのものが信用で
きないとして否定している。
国防総省は特に、1999年に国防総省の予算でランド研究所によって行われた
ガンと劣化ウランについての科学的報告書を指摘する。それによると関係性は何
も見い出されなかったと結論されており、WHO(世界保健機構)とECの同様
な研究でも同じであったとしている。しかしランド報告書は、通常ウラニウムの
比較的軽い影響について主に研究したもので、「劣化ウランそのものについての
研究はほとんどなされていない」ことを認めている。アメリカの活動家たちは、
発表されている報告書はすべて、劣化ウランを被曝して病気になった多数のアメ
リカ人とイラク人を実際に調べていないことを指摘する。アメリカ軍はいくつか
その調査を行っているが、それは極秘扱いになっている。イラク軍は同じ湾岸戦
争症候群に復員兵が冒されているかについてコメントを拒否している。
【アメリカの専門家】
劣化ウランの影響について最も詳しいアメリカの人物はたぶん、アメリカ軍劣化
ウラン計画の前責任者だったダウグ・ロックであろう。彼は約100人の兵隊か
らなる調査チームを卒いて、湾岸戦争の際劣化ウラン弾に被弾したイラクの戦車
とアメリカ軍の車両を調査しきれいに片付けた。
その仕事はぞっとするようなものだった。劣化ウランの爆発で兵隊の死体があま
りにもひどく焼け焦げていたため、チームはそれらを「ぱりぱり人間」と呼んだ。
この調査チームのメンバーは残余劣化ウランの危険性について知らされていなか
ったので、彼ら自身深刻な被曝を受けた。ほとんどがその後の何年かのうちに深
刻な病気に掛かり、ロックによれば「あまりにも多くが」死んだと言う。しかし
彼は、劣化ウランとの直接的関連性を示すことが困難なためはっきりした数を言
うことを避けた。
物理学の博士号を持ち、最近までジャクソンビル州立大学教授だったロックは、
「自身のからだが許容基準を5,000倍超える放射能を受けている」と語り、
南イラクの住民と彼の仲間たちの間に起きている健康障害を劣化ウランによる
「直接の影響」とした。
国防総省は、湾岸の戦闘地域で被曝した彼と他のメンバーの体内の高いウラニウ
ム値は食事のせいだとくり返し言っている、とロックは言う。
彼は、最近発表した声明で、劣化ウランの即時禁止を呼びかけ、「どこの国の軍
隊でも故意に他国を汚染し、市民と環境に危害を与え、その影響を無視すること
は許されるべきではない。そのようなことは神と人類に対する犯罪である」と語
った。
【国際的な意見】
サンタ・クルスの活動家で湾岸戦争復員兵のダン・ファヘイが形容するところの
「見ざる、探さず」という態度を国防総省が取り続けている一方で、他の国々で
は劣化ウラン弾に対しては批判的な意見が多数である。
■1999年ヨーロッパ議会はNATOに対して、独立の研究結果が出るまでは
劣化ウラン弾の使用を停止するよう決議要請した。その要請は無視された。
■昨年の夏、国連の人権促進擁護に関する分科委員会が劣化ウランの危険性の調
査研究を承認した。委員会の委員たちはすでにそれを大量破壊兵器として位置付
けている。アメリカとイギリスの反対を押し切って決定されたこの措置は、サン
フランシスコの弁護士であるカレン・パーカーにとって意味ある勝利であった。
彼女は国際教育開発/人権法プロジェクトに関わり、長年劣化ウラン反対運動に
関わって来た。
■1991年のイギリスの核エネルギー公社による研究で、湾岸戦争での劣化ウ
ラン兵器使用の結果「50万人がガンによって死ぬ可能性」があることが判明し
た。この報告書はイギリス政府によって1998年まで伏せられていた。
しかし、劣化ウラン問題に関するしっかりした科学的研究はきわめて少ない。
ボストン大学公共医学科の感染病理学者で数少ない劣化ウラン/ガン関連性研究
者の一人であるリチャード・クラップは、マサチューセッツの復員兵の湾岸戦争
症候群を研究している。彼の当初の調査研究では、劣化ウランに被曝した湾岸戦
争復員兵にホジキンズ病の増加が見られるが、他のタイプのガンの増加はない。
しかしクラップはより総合的な研究がさらに必要だとしている。彼は、「劣化ウ
ランとガンの関連(特に、ほこりや煙の粒子で劣化ウランを吸い込んだ人たちの
肺ガン)の可能性についてはまだわかっていません。私は、生物学的な見地から
の可能性を否定することは確かにありません、よく言うように、危険性の証拠が
ないことは安全だという証拠にはなりません」と語った。
【石油燃焼、化学兵器】
イラク人の健康障害とアメリカ人の湾岸戦争症候群は劣化ウラン以外にも多くの
原因が考えられる、とクラップと他の専門家は指摘する。他の可能性としては、
イラク兵がクウェートから撤退する際火を付けた油田燃焼とアメリカのミサイル
が命中したイラクの化学兵器からの汚染物質である。
「劣化ウランと特異な病気の関連性を示す証拠がない理由は、誰もそれを真剣に
追求しようとしないからだ」と、アトランタ、広島、長崎にベースを置くアメリ
カ/日本共同グループ、劣化ウラン兵器禁止グローバル・アソシエーションの共
同代表のスティーブ・リーパーは言う。
リーパーは、「放射能の最大の問題は、特に同様に毒性化学物質である低レベル
放射能発生源を含むばあい、非常に多くの形で害を与え得ることです」と言う。
また「どんな障害を受けるかは劣化ウランがからだのどこに行き、どんな細胞に
どのような損傷を与えるかによるのです。その影響を本当に知るには、政府がす
べての復員兵、とくに復員兵局に医療保護を求めている205,000人と南イ
ラクの人々を調査し、尿、諸器官、骨中のウランを試験し、そして様々な病理と
の関連性を探る必要があります」と語った。
イギリスで教育を受けた感染病理学者で、バグダッドのムスタンシリヤ大学長の
アリム・ヤクーブ医師は、イラクの健康危機に対する世界の反応に憤りを示して
いる。「なぜ国際的な研究がなされていないのか」と彼は問う。「世界保健機構
(WHO)はどこにいるのか。この問題はあまりに政治的で、アメリカの圧力の
プロパガンダで影響されている。」
WHOは、2001年に国連の機関が劣化ウランを含むすべてのガンの問題につ
いての総合的調査をイラクに提案したが、何も回答がなかったと言う。
【国連の経済封鎖】
ヤクーブ医師は、その企画は湾岸戦争以来イラクに対して課せられた国連の厳し
い経済封鎖によってさまたげられていると主張する。彼によれば、国際原子力委
員会(IAEA)がイラクが研究に必要な放射線医学用の装置を、それが2重使
用つまり核兵器開発にも使えられるという理由で、輸入することを禁じている、
という。
国防アナリストのヘルマンは劣化ウラン問題を要約して「これについては科学は
まだ全会一致ではない」と語った。「私のやり方としては、安全に使用できない
なら、使うべきではない。軍のやり方はこれとは180度反対です。彼らは『安
全ではないと証明できないかぎり、それを使っていく』と言っている。」
(訳文責 森田 玄)
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