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北朝鮮の核物質移送を米衛星撮影…米紙 [読売新聞]
投稿者 あっしら 日時 2003 年 1 月 31 日 16:06:20:


 【ワシントン=永田和男】米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は30日、米国の偵察衛星が北朝鮮・寧辺(ヨンビョン)の核施設で保管中の使用済み燃料棒を移送していると見られるトラックの写真を撮影したと報じた。ブッシュ政権内には、北朝鮮が核爆弾の製造に乗り出している可能性もあるとみて警戒する声が上がっているという。

 同紙によると米情報当局が1月いっぱいをかけて寧辺での活動を衛星で監視、分析した結果、燃料棒を保管する建物からのトラックの動きが確認された。トラックの積み荷は写真ではわからないが、米当局者は燃料棒を他の建物に移していると見ている。移送の目的として当局者は、単に他の建物に燃料棒を隠している可能性もあるとしているが、プルトニウム抽出のための再処理を目的としている疑いもあるとしている。

 ブッシュ政権内では、寧辺の核施設内での動きを総合した結果、北朝鮮がプルトニウム抽出に乗り出しているとすれば、3月末にも核兵器級のプルトニウム抽出を始められるとの見方がでているという。

 ある当局者は同紙に「今我々が目にしているのが果たして何なのか、どの程度挑発的なものなのかは(政権内でも)議論が別れている。北朝鮮側は(活動を)我々から隠そうとする姿勢をまったく見せていない」と語っている。

 北朝鮮は94年5月、寧辺で稼働させていた5000キロ・ワット黒鉛減速炉から燃料棒8000本を抜き取った。この燃料棒を再処理すれば、原爆約6個分の兵器級プルトニウムが取り出せることから、危機が高まった。米朝は94年10月に結んだ「枠組み合意」で、寧辺の核関連施設の稼働を凍結することを決め、これ以降、燃料棒は、黒鉛炉に隣接する貯蔵プールで保管されてきた。

 しかし、昨年10月、ケリー米国務次官補が訪朝した際、北朝鮮側が濃縮ウランを使った核開発計画を認めたことを契機として、北朝鮮の核問題が再燃。北朝鮮は、昨年12月12日、核施設再稼働決定を発表し、続いて、施設凍結を監視していたIAEAの要員を追放。今年1月10日には、核拡散防止条約(NPT)脱退とIAEAとの保障措置協定からの離脱を宣言するなど、寧辺での核開発再開に向けた動きを本格化していた。

(1月31日14:50)

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