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日米研究の前提白紙に 別システムの購入打診 ミサイル防衛計画
投稿者 倉田佳典 日時 2003 年 1 月 29 日 22:14:09:

01/28 20:03 日米研究の前提白紙に 別システムの購入打診 ミサ 外信93

 【ワシントン28日共同=久江雅彦】ミサイル防衛計画で米政府
が日米共同技術研究の前提としている迎撃ミサイルの開発・配備計
画を事実上白紙にする一方、米国が独自開発中のスリム化した迎撃
ミサイルと関連システムの購入を日本側に打診していることが分か
った。両国政府筋が二十七日、明らかにした。         
 ラムズフェルド国防長官と昨年末に会談した石破茂防衛庁長官は
日米間のミサイル防衛協力を「研究」から「開発」へ早期に移行さ
せる考えを表明したが、研究の前提条件が宙に浮いた形となり、協
力内容の変質は不可避となった。               
 日本は着弾地点が特定できないミサイルの迎撃と集団的自衛権行
使との関係などに加え、共同研究の変容と米側からの購入「圧力」
という新たな難題を抱えることになり、ミサイル防衛網への参加の
是非で今後、難しい決断を迫られる。             
 米国は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)などの弾道ミサイルに
限定対処する目的で、イージス艦から発射する迎撃ミサイルで標的
のミサイルを撃ち落とす海上配備型防衛システムの二○○四年の配
備開始を目指しており、この購入を防衛首脳会談などで打診してき
た。                            
 日米両政府は直径約五十三センチの迎撃ミサイルを対象に一九九
九年度から共同技術研究に着手。だがミサイル防衛網の構築を急ぐ
ブッシュ政権は、開発が最も進んでいる直径約三十四センチの迎撃
ミサイルの配備と同ミサイルの性能向上を最優先する方針に転換。
開発が遅れている五十三センチの迎撃ミサイルの開発・配備計画は
白紙状態になり、米側が日本側に通知した。          
 日米が共同研究を進めているのは(1)標的を識別・追尾するセ
ンサー(2)空気の摩擦熱から弾頭やセンサーを保護する「ノーズ
コーン」と呼ばれる覆い(3)推進装置(4)相手の弾頭を破壊す
る弾頭―の四分野。このうち、三十四センチの迎撃ミサイルに生か
されるのは「ノーズコーン以外にほとんどない」(米政府筋)とさ
れる。                           
(了)  030128 2003              
[2003-01-28-20:03]

01/28 20:06 根幹崩れた日米協力 北の核問題に便乗し圧力  外信95

 【ワシントン28日共同=久江雅彦】米政府がミサイル防衛計画
の日米共同技術研究の前提としている迎撃ミサイルの開発・配備計
画を白紙にするとともに、二○○四年の配備開始を目指す別のシス
テムの購入を日本側に打診してきたことは、ミサイル防衛をめぐる
従来の日米協力が根幹から崩れたことを意味する。       
 同計画への参加を留保している日本にいら立つ米政府は、自身が
独自開発した迎撃ミサイルと関連システムを購入するよう昨年秋ご
ろから日本側に要求。同時期に浮上した北朝鮮の核開発疑惑という
追い風にも「便乗」し、対日圧力をかけていると言える。    
 一方、日本側は今後、米国が開発した新システムの購入に加え「
指揮・統制・通信」といった従来とは異なる分野での新たな共同開
発を迫られそうだ。購入自体は一千億円未満とされるが、共同開発
から配備まで一兆円を超えるとの指摘もあり、日本にとって「二重
投資」が避けられない事態も十分考えられる。         
 米国は共同研究の対象だった直径約五十三センチの迎撃ミサイル
に代わり、日本への売却を狙う同約三十四センチの迎撃ミサイルの
性能をさらに向上させる際、日米協力の成果を反映させる構えだが
、既に米国独自の研究が進んでいるため、その大半が実用に反映さ
れないことになる。日本政府は○二年度までに約百三十六億円を計
上しており、過去の経費負担や具体的な研究成果を国民に説明する
義務も生じてくる。                     
(了)  030128 2005              
[2003-01-28-20:06]

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