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こうして国家的な重要事業として造られたテポドンは、日本のどこをターゲットにするのか。元防衛庁陸幕調査部情報工作官の柳内伸作氏はこう予想する。
「北朝鮮は'98年にテポドンを発射したときから、日本に対して一種の戦争準備状態にあるのです。今後は日本を少しずつ“部分攻撃”して、それから交渉し、それがうまくいかなければ次第に全面的な戦争状態になる――という流れで事態は進むでしょう。
だから、いきなり東京の中心や原発に撃ち込むような真似はしない。そうしたら、いきなり全面戦争になってしまう。まず領海や原発の近くに落とし、交渉の余地を残しながら、次の手を決めていくと思われます」
柳内氏によると、日本がテポドンを迎撃するのはほとんど不可能。飛んでくるミサイルを打ち落とすには、迎撃ミサイルを何発も撃ってやっと命中させられるくらいだが、いまの日本にそんな備えはない。被害は避けられないだろう――という。
もちろん、ミサイルの弾頭に核兵器を装着するか、天然痘やペスト菌などの生物兵器を着けるか、サリンガスなどの化学兵器にするか、それとも通常の弾頭にするかで破壊力は大きく異なってくる。その中で、やはり注目すべきは「2〜3個ある」と言われる核兵器だろう。元北朝鮮工作員の青山健煕氏は語る。
「ソ連が崩壊したとき、金総書記はモスクワから優秀な核技術者を36人も呼んで、北朝鮮国籍を与えて厚遇し、核兵器の開発に当たらせています。'96年には、ウラン濃縮のための遠心分離器をはじめ、核兵器を造るのに必要な多くの設備を手に入れた。それから7年、北朝鮮が核兵器を保有するようになったのは間違いありません」
ただし、テポドンの弾頭として搭載するには、核兵器を1t以下にコンパクト化しなければならない。その技術もかなり進んでいるという情報を青山氏はキャッチしている。かりに1tの核弾頭が爆発した場合、その被害が及ぶのは半径約50kmの地域。都市ならば、100万人の死者が出ても不思議ではない。
ノドンやテポドンは命中精度が悪く、どこに飛ぶかわからないと言われてきた。しかし、最近はそれもかなり“改善”されてきたようだ。
「工作員が、攻撃目標地点に小さな電波発信機を置き、そこから出てくる電波をめざして進むようテポドンを誘導する『地上誘導』という方法がありますが、北朝鮮はこれを研究している。非常に簡単で、命中精度が高くなるやり方です。飛行ルートをコンピュータ制御する技術も格段に進歩したし、核弾頭を、広島に落ちた原爆のように地上40mくらいの高さで爆発させて、破壊力を大きくする起爆方法も開発しています」(前出・青山氏)
金正日の誕生日2月16日に
ここまで金総書記が「テポドン」と「核」に力を入れるのは、国内の苦しい事情が影響している。枠組み合意を蹴っ飛ばしたことで、アメリカから年間50万t供給されていた重油が断たれ、北朝鮮はジリ貧状態。おまけに、昨年7月から配給制度を一部廃止して始めた経済改革が大失敗。ひどいインフレを生んで、国民を苦しめているのだ。
関西大学助教授・李英和氏は説明する。
「金総書記には、国内経済を立て直す政治的力量などありません。だから、ミサイルと核で日本を脅して援助という名のカネを取り、それで苦境を乗り切ろうと考えている。そのために、今後ミサイル発射を繰り返す可能性が高いし、最終的には『核保有宣言』をすると思います」
実際、北朝鮮国内には、大飢饉のため300万人を越える餓死者が出ている。いまも国民の2割が、おかゆも食べられない状態だという。
「食糧不足だけでなく、重油が断たれたせいで電力不足も深刻になり、この冬は北朝鮮の凍死者は数百万人にのぼると見られます。平壌の高層マンションでも暖房がまったく効かず、マイナス10度、マイナス20度という寒さの中で、住人が次々と凍死している。地方はもっとひどいのですが……」(軍事ジャーナリスト・神浦元彰氏)
ついに、平均的な一般国民よりも恵まれているはずの軍の内部でも、餓死者や凍死者が出始めた。そのため、集団脱走する兵士が続出。金総書記は軍と国民の混乱を必死で抑えようと、ひんぱんにマスゲームや軍事パレード、反米デモなどを繰り返しているありさまだ。
これだけ焦っている金総書記が、実際にテポドンを発射するのはいつなのか。軍事評論家の岡部いさく氏が言う。
「2月中〜下旬が要注意だという有力情報があります。まず、その頃になると、アメリカは直前に迫ったイラク攻撃にかかりきりになるから、北朝鮮は強気に出られる。さらに、2月16日という金総書記の誕生日を迎えるので、『偉大なる指導者・金正日同志を称えるため』という名目でミサイルを発射する――というのです。核弾頭を搭載するかどうかはわかりませんが……」
もちろん核弾頭でなくても、あるいはミサイルを撃ち込まなくても、北朝鮮は、日本を攻撃する方法を他にいろいろ考えていることは間違いない。レーダーが感知できない気球を使って、上空から細菌を散布する。11万人といわれる北朝鮮特殊部隊を上陸させる。リュックサックに入るような超小型の原爆を大都市で爆発させる。未精製の核物質を使ったダーティ・ボム(汚い爆弾)を使用する……。
ここまでして日本を攻撃しようとしている金総書記だが、いよいよ支配体制が崩壊しそうになったときには、身体ひとつで逃げ出そうとしているというから呆れてしまう。
「金総書記は、最後はスイスに亡命しようと極秘計画を立てているのです。スイスにはすでに家を建て、十数年間駐スイス大使を務めてきた李徹という“腹心”にも数十億円相当のカネを預けている。まさに亡命の用意は整っています」(朝鮮民主統一救国戦線常任議長・朴甲東氏)
巨大ミサイルをぶっ放して逃げる独裁者を待ち受けるのは、天国なのか、それとも地獄なのか――。