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「アメリカはいま、イラク攻撃を控えて、北朝鮮との両面作戦はしたくない。北朝鮮はそこを見透かして、アメリカにどんどん条件を突きつけています。アメリカは少し軟化する様子を見せてはいても、成り行き次第では再び北朝鮮をどんどん追い詰めるでしょう。その場合、北朝鮮は実験などと称して、保有するミサイルを何発も発射するはず。日本列島に撃ち込んでくる可能性も十分あります」
こんなショッキングな警告をするのは、軍事評論家の村上薫氏だ。
昨年秋に核開発の再開を宣言して以来、北朝鮮はアメリカに対し、一歩も退かぬ強硬姿勢を取ってきた。12月末に国際原子力機関(IAEA)の査察官を国外追放すると、1月10日にはなんと核拡散防止条約(NPT)からの脱退を表明。これには全世界が息を呑んだ。
こうして朝鮮半島情勢が極度に緊張するなか、北朝鮮の崔鎮洙・駐中国大使が、
「アメリカの『話はしても協議はしない』という態度は、非常に傲慢である」
「われわれは生存権を脅かされて黙っているわけにはいかない」
と口をきわめて罵倒し、
「アメリカが(北朝鮮への)敵視政策をとって、朝米間の合意を無効にしている以上、ミサイル発射実験の臨時停止措置も例外とはならない」
と言い放った。つまり、これまで凍結してきたミサイル発射実験を再開するぞ、と明言したのである。
そもそも北朝鮮の金正日総書記は'01年5月、「'03年までミサイル発射実験を凍結する」と語っていた。その後、昨年9月に日本の小泉純一郎首相と金総書記が発表した日朝平壌宣言には、「'03年以降も発射実験を凍結する」とされていた。
それをいきなり反古にするというのだ。まさに、怒り狂った北朝鮮が、ミサイルというキバをむき出しにして、日・米・韓の3国に飛びかかろうとしている状況――と言っていい。
その後ブッシュ米大統領は、
「北朝鮮が核開発を放棄すれば、エネルギーや食糧の援助を含む『大胆な提案』を行う用意がある」
と軟化する姿勢を示したが、本当に金総書記に歩み寄るつもりなのか。ジャーナリストの角間隆氏は言う。
「アメリカのイラク攻撃が当初の予定から延期され、3月末か4月にずれ込む見込みが強くなりました。『攻撃はなくなった』という見方もある。そのようにイラク情勢が不安定だから、ブッシュ大統領は北朝鮮との関係をとりあえず落ち着かせたかったのでしょう。時期が遅れても、アメリカは間違いなくイラクを攻撃するでしょうし、その後、北朝鮮に矛先を向ける可能性は十分あります」
「米英日こそ悪の枢軸だ」
つまりアメリカの軟化策は、あくまで両面作戦を避けるための方便でしかないというのだ。北朝鮮がそれを見抜けば、強硬姿勢を崩さない。ミサイル発射の恐怖は、依然として日本国民を脅かすことになる。最大射程約1000kmの「ノドン」、そして約1600kmとされる「テポドン」は、どのように撃ち込まれるのか。
国際未来科学研究所代表の浜田和幸氏はこう明かす。
「私が得た情報によると、ブッシュ大統領が北朝鮮を『悪の枢軸』の一つに名指ししたとき、金総書記は、『世界にとっての悪の枢軸は、アメリカ、イギリス、そして日本だ』と漏らしたそうです。その後も現在に至るまで、『われわれはピストルで脅されたら、大砲で仕返しする』『ミサイルで攻撃されても、奴ら(日本)は何もできない腰抜け国家だ』などと言っています」
まさに、いますぐ日本を攻撃してきてもおかしくない勢いである。
これまでに北朝鮮が日本へ向けてミサイルを発射したことは2度あった。1回目は'93年5月、ノドンが日本海に向けて発射され、能登半島沖に落ちたとき。そして2回目は'98年8月、テポドンが日本列島の上空を越えて、三陸沖の太平洋に落下したときである。とくに、この2回目のテポドンは日本の防衛体制の甘さを完璧に衝いた形となり、国民に大ショックを与えた。
外交・軍事評論家の立花薫氏が説明する。
「テポドンは当初、アメリカの情報に基づいて単純な2段式のミサイルだとされていたんですが、後になって3段式と判明しました。発射されたテポドンから、まず1段目の推進装置が切り離されてウラジオストック南方の日本海に落下し、次の2段目は日本列島を越えて三陸沖に落ちた。そして最後の弾頭部分は、さらに遠くの太平洋に落下しました。
現在アメリカの国防長官を務めるラムズフェルド氏が、当時の議会で『発射されたテポドンは推進装置が不調だったために1600kmしか飛ばなかったが、うまく機能すれば4000〜6000km飛行できる可能性がある。これから新たに開発されるテポドンの射程は、6000kmを越えるかもしれない』と証言したこともあります」
6000km超といえば、まさに大陸間弾道弾(ICBM)に匹敵する射程。北朝鮮から発射して、アメリカの一部やアラスカに撃ち込むことも可能になる。もちろん、1600kmでも、日本の大半が標的になってしまう。
立花氏によると、その後もテポドンの改良は地下の施設で極秘に行われたため、その全容ははっきりしない。しかし、合計約100基のノドンとテポドンが配備され、いつでも日本を攻撃できるよう準備を整えているという。
開発の中心になっているのは、主にロシア人の技術者たちだ。旧ソ連時代から現在に至るまで、北朝鮮に来るロシア人ミサイル技術者は少なくない。そんな彼らが、北朝鮮技術者の教師役として、ともに開発に携わっている。
「北朝鮮のミサイル開発は、すべて金総書記の“直接指導”のもとで行われています。総書記は、開発施設にマメに顔を出して『国の栄光はこの偉大な事業にかかっている』などと言って技術者を激励したり、設備や設計図を見てあれこれと指導したりと、非常に熱心です」(前出・立花氏)