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【バグダッド小倉孝保】米国が対イラク攻撃の構えを強める中、イラク国内の少数民族クルド人たちが28日、バグダッドで米国の攻撃反対を訴えるデモを行った。イラクの反体制派とされるクルド人の多くは北部の自治区内に居住する。デモ参加者らは本音ではフセイン政権が政情不安を恐れてクルド人弾圧に走ることを懸念しているようだった。
この日、デモに参加したクルド人たちは同自治区からサウジアラビアのメッカ巡礼に向かう途中、バグダッドに立ち寄った。その1人、カリーム・ハミドさん(48)は「イラクは今、危機にある。国民は一致して敵と戦わなければならない」と訴えた。ハミドさんは、クルド人の中に米国に協力する勢力があることを認めた上で、「多数だとは思わない。米国から資金をもらうため支援しているだけだ」と述べた。
だが、事情通は「多くのクルド人が本当に恐れているのは、開戦と同時に、イラク軍がクルドを弾圧することだ」と説明する。デモ参加者の一人は小声で「米国が攻撃を始めればイラクに狙われるのは我々だ。だから、攻撃に反対している」とつぶやいた。
クルド人はイラク全体の20%、約450万人を占め、自治区だけでなく、首都バグダッドなどフセイン政権の下にも多数のクルド人が住む。フセイン大統領は一部のクルド人家庭に生活費を支給するなど優遇策をとり自治区内に約2万5000人の親フセイン勢力を作っているという。危機に際し、クルド人の間にフセイン政権打倒の機運が高まれば、親フセイン勢力からの情報を元に、イラク軍がクルド人を力で抑える用意を整えているという。
[毎日新聞1月28日] ( 2003-01-28-21:25 )