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【平壌発=金志永記者】「(核開発を行っている)証拠を示せ、とのわれわれの要求に、ケリー特使は衛星写真も提出しなかった。そればかりか、どこで『核開発』を行っているのか地域すら明示できなかった」―オ・ソンチョル朝鮮外務省局長は18日、本社記者とのインタビューで、昨年10月ブッシュ米大統領の特使として平壌を訪問したケリー国務次官補が、朝鮮側が「濃縮ウランによる核兵器製造計画」を認めたと発表したことに関連し、こう明らかにしながら、米国によるでっちあげであることを明確にした。〉〉〉インタビュー記事へ
「保有する権利」に言及したのみ
オ局長によると、当時ケリー特使と会談した朝鮮代表は、「あなた方が引き続き強圧的な態度を取るなら、われわれは現時点で核兵器を持っていないが、自らを守るために今後核兵器はもちろん、それ以上のものも保有する権利がある」と、語ったという。
ケリー特使訪朝後、ブッシュ政権は北側の発言を恣意的にねじ曲げ「核疑惑」を膨らました(訪朝後、ソウルでの記者会見)[写真=聯合ニュース]
ケリー特使が「朝鮮側が核開発を認めた」と錯覚した可能性について、オ局長は「そのような余地はない」と断言。「われわれは会談の最初の段階で彼らの主張する『濃縮ウランによる核兵器製造計画』をきっぱりと否定した」と強調した。
今回の「核開発」騒動については、その発端となったケリー特使の「朝鮮側が核開発を認めた」との発表直後から米国内でも異論があった。
昨年11月訪朝し、朝鮮外務省高官と会って、ケリー特使と朝鮮側の会談経緯について説明を受けたドン・オーバードーファー氏(ジョン・ホプキンス大学客員研究員、元ワシントン・ポスト記者)は、姜錫柱第1外務次官が「米国の核の脅威に対抗し国の安全を守るために核兵器を持つ権利を有している」と明言したことに対し、「米国代表団側は自分たち同士で論争した結果、ケリーの非難(「北は高濃縮ウラン製造の秘密プログラムを持っている」と発言したこと)が正しいということを認めたと解釈することにした」(11月10日付ワシントン・ポスト)と暴いた。
また、昨年12月31日付のワシントン・ポスト社説は、「クリントン政権時代に米情報機関が確認したのは平壌の核弾頭製造ではない。『おそらく(核兵器を)持つことが可能』ということだけなのだ。新しい未報告情報を暴露するなら、核兵器(の保有)はけっして確認されていない」と指摘している。
今回のオ局長の発言、そして米国内でのこのような指摘は、「朝鮮の核開発」が、米国によって意図的にでっちあげられたものであることを裏付けている。
米国と同等の立場なら対話可能
一方オ局長はインタビューの中で、一部で米国が朝鮮の体制是認と安全保障を文書で保証するという方法も議論されていることについて、「現状況の本質に鑑みる時、大統領の保証文書のようなもので問題は解決できない」とし、「この問題は、米国がそれを知ったうえですることだ。ただはっきり言えるのは、われわれには圧力の方法は通じないということだ」「米国が対話をしようというのは時間稼ぎに過ぎない」と語った。
また、周辺国が核問題解決のための「仲裁案」を出した場合の対応について、「われわれは周辺諸国が今回の事態の本質を見極め、核問題が正しく解決されるよう肯定的な役割を果たすのであれば良いことだと思う。しかし、現状況を正しく理解せず米国の側に立ち一方的な要求を突きつけるなら、かえって情勢を緊張させるだけだ」としたうえで、「米国と同等の立場で対話が行われるのなら、われわれも断る理由がない」と明らかにした。
さらに「米国が大国を自称するなら、当然われわれも大国の姿勢で思考し行動しなければならないというのが、わが指導者の確固とした意志であり変わらぬ立場である」とも強調した。
〈インタビュー〉 「ケリーは証拠を示さなかった」―オ・ソンチョル朝鮮外務省局長
[朝鮮新報 2003.1.25]