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【ガザ市(パレスチナ自治区)=大内佐紀】イスラエル軍は25日深夜、戦車や装甲車など数十両でパレスチナ自治区ガザ市に侵攻、病院関係者によると、銃撃戦などでパレスチナ人少なくとも12人が死亡、60人以上が負傷した。ガザ市侵攻では最大規模。
軍側は「対抗自衛措置」としているが、28日の同国総選挙を目前にした人口密集地への軍事活動とあって、パレスチナ自治政府のエレカト地方行政相は「シャロン首相がさらなる流血と破壊で選挙運動を締めくくろうとしたのは明らか」と激しく批判した。
今回侵攻したのは、イスラム原理主義組織ハマスの拠点ザイトゥン地区。パレスチナ人らが自動小銃などで応戦し、激しい銃撃戦となった。軍は武器製造拠点と見なした金属工場など40か所やハマス活動家宅などを爆破したほか、武装ヘリからミサイルも発射。26日早朝、周辺部に撤退した。
イスラエル総選挙は、各種世論調査で、シャロン首相率いる右派リクード勝利が確実な情勢だが、労働党がシャロン政権不参加を表明しているため、第2次シャロン政権が安定した連立を組めるかどうかは不透明。首相が対パレスチナ強硬姿勢で議席上積みを図っている可能性は否定できない。
(1月26日20:29)