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【バグダッド小倉孝保】イラクの大量破壊兵器を調べている国連査察団が、モスク(イスラム礼拝堂)を査察していたことが22日、明らかになった。宗教施設への査察は昨年11月の査察再開以来初めて。98年以前の査察でも、教会が対象になったことはあるが、モスクへの査察はなかったという。
バグダッド北部のニダア・モスクのイスラム指導者、クタイバ・アマシュ師が記者会見で明らかにした。同師によると、査察団の男性メンバー5人が20日午後、突然、同モスクを訪れ、イスラム教に従い靴を脱いでモスク内に入った。中ではアマシュ師から、モスクの大きさや礼拝に訪れる人の数、バグダッドにあるモスクの数などを聴取。大量破壊兵器に関する質問はなかったという。
また、査察団はミナレット(尖塔(せんとう))の写真などを撮影したが、モスクから持ち帰ったものはなかった。査察は約30分で終了。当時、礼拝者はいなかった。
アマシュ師は「モスクは神聖な場所だ。査察団は兵器とは関係ない質問ばかりを繰り返し、問題を起こすことが目的だったとしか考えられない。これは米国の差し金だ」と述べ、24日の金曜礼拝では全イスラム教徒に対し、こうした行為に対抗するため団結とジハード(聖戦)を呼びかける考えを明らかにした。
イラクではイスラム教徒が97%と多数。モスクは完全に政府の管理下にあり、金曜礼拝での演説も政府の意向に沿って行われる。アマシュ師がジハードを呼びかけたことも、イラク政府が査察の問題を国連対イスラム教徒の問題にすることで揺さぶりをかけたと考えられる。
[毎日新聞1月23日] ( 2003-01-23-10:49 )