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テロ対策を主要議題に20日、開かれた国連安保理外相級会合は、常任理事国5カ国の外相が一堂に集まり事実上、イラク問題の対応を協議する機会となった。パウエル米国務長官は会合の演説でイラク問題に触れ、「我々は自らの義務と責任から委縮してはならない」と述べ、イラク側が査察への協力義務を果たさない場合、武力行使を含む厳しい対応をとる考えを改めて示した。一方、中仏ロ及び、非常任理事国ドイツの各外相は武力行使に慎重な考えを強調し、安保理内の溝を浮き彫りにした。
安保理は27日に予定されている国連査察団のイラク査察報告を受け、29日に会合を開き、今後の対応を協議する。「時間は尽きつつある」(パウエル長官、ストロー英外相)と武力行使への流れを加速したい米英両国と、査察の継続により武力行使回避の可能性を探る中仏ロなど安保理内の対応の違いが改めて際立つ形になった。ただ、各国ともイラクの大量破壊兵器開発への懸念と武装解除の必要性では一致しており、妥協の余地は残っている。
中国の唐家セン外相は20日、記者団に対し、「27日の査察報告で、査察活動が終わるのではなく、むしろ始まりだ。査察にはさらに時間がかかる」と査察の継続を主張。安保理議長国フランスのドビルパン外相は、「単独で武力介入すれば最も強い者(米国)の法が勝利したと受け止められ、法の支配と国際的なモラルを攻撃することになる」と、米国の単独行動を強く牽制(けんせい)した。ロシアのイワノフ外相も「単独行動をとることがないよう留意しなければならない」と述べ、国際社会の一致した行動を求めた。
また、ブッシュ政権の対イラク政策を公然と批判してきたドイツのフィッシャー外相は、「最優先課題がテロに対する国際的な戦いであることは極めて明確だ。これに悪影響が出ることは避ける必要がある」と懸念を表明した。米軍が武力行使した場合の対応についても、「我が国が武力行使に部分的に加わることはない」と明言した。
これに対し、パウエル長官は、27日の報告後が本格的な査察の始まりとする中国などの主張に対して、「始まりではない。イラクが化学兵器や弾頭を持っていたことは何年も前から知られている。彼らは自分たちが何を持っているか知っている」と反論。安保理内の対立については、これまでのイラク側の非協力姿勢などを列挙することで、「極めて簡単に折り合いがつく」と楽観的な見通しを示した。