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【パリ福島良典】イラクのフセイン政権転覆を模索する動きが活発化する中、イラク問題に詳しいフランス国立科学研究センターのピエール・ジャン・リュイザール研究員(48)は20日、毎日新聞のインタビューに「フセイン大統領の戦略は生き残り」と分析、既存の政治構造を温存する形で、二男クサイ氏への権限移譲や指導部亡命などによる政権交代の可能性が浮上しているとの認識を示した。
――フセイン大統領の狙いは?
◆生き残ることだ。現体制はイラク社会に基盤を持っていない。いわばマフィア的なシステムだ。大統領一族がイラク支配を続けてこられたのは国際社会と周辺諸国の環境のおかげだ。
――イラク危機の打開策は?
◆解決策の一つはイラクの政治システムを維持する約束を米国から取り付ける代わりにイラク指導部が亡命することだ。国際的な戦犯責任の追及を体制の一部メンバーに限定し、指導部にロシアやアラブ諸国などへの出国を容認するという選択肢だ。
――「フセイン後」の指導者は誰になるか?
◆軍の抑えが効き、軍主体の政権を率いられる人物として現参謀総長の名前が取りざたされている。米国では暫定的な解決策としてフセイン大統領の二男クサイ氏の名前も挙がっている。
――近くトルコで戦争回避策を討議するイラク周辺国の思惑は?
◆トルコ、サウジアラビアなどは「米国はフセイン後の青写真を持っていない」と自覚し、米国のイラク軍事占領・支配が長期化する事態を懸念している。戦争回避を目指す点で、フランス、ドイツなどの欧州諸国とイラク周辺国との間には連携が生まれている。双方には、戦争による中東不安定化を回避し、同時に米国による中東支配を限定的なものにしたい思惑が共通している。
また、米国の右派が提唱する「中東民主化」に地域関係国は帝国主義的な意思を感じ取っており、イラン、サウジなどは脅威とみなしている。
[毎日新聞1月21日] ( 2003-01-21-22:13 )