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中国の宇宙飛行の無人試験機「神舟4号」(SZ−4)は、打ち上げの瞬間から地球軌道に進入するまで、米国の軍事衛星→地上レーダー→宇宙監視センターによって、その動きがすべて捕捉されていた。ロシアも、バイコヌル宇宙センターなど約20の宇宙監視統制所を即時稼動し、フランスも赤道ギニアの衛星監視センターなどに非常態勢をとらせた。
5日午後6時27分、神舟4号が地球軌道を108回にわたって周回した後、内モンゴルに帰還するまで、中国と欧米の間には激しい宇宙情報戦が繰り広げられた。とくに神舟4号から発信される電波を解読しようとする米国など欧米と、これを全部コード(暗号)化し試験機の秘密流出を防ごうとする中国。それは「音のない宇宙戦争」だった。
発信電波を解読すれば、試験機の正確な軌道と姿勢、重量、寿命はもちろん、内部構造や状態、搭載装備まで把握できるだけでなく、戦時にはかく乱電波を発射し、宇宙船の機能をマヒさせることができるからだ。
特に神舟4号は、米国のミサイル防衛(MD)システムを無力化できる宇宙実験を行うことで、西側を驚かせた。神舟4号は、地球軌道への進入後、自らの推進力で試験機の方向を逆転させ、一時的に軌道を離脱するなどといった遠隔制御機能を見せた。
これは、米国がMDの最終段階で構想している、宇宙での衛星迎撃を無力化できる最先端の技術。とくに、神舟4号は、試験機から偽装物体を送り出して攻撃目標を混乱させたり、位置を隠したりすことができ、中国は今後、衛星に兵器を装着し相手の衛星などを攻撃できるなど、高度の技術水準を保有するようになるものとみられる。
中国人民日報の姉妹紙「環球時報」は14日、このような神舟4号の打ち上げと関連した秘話を紹介し「中国はこれ以上、自国の領空を自由に行き来している他国の衛星を見守ってばかりいる弱者ではなく、いまではこれらを制圧できる能力を備えた」と報じた。