現在地 HOME > 掲示板 > 戦争21 > 395.html ★阿修羅♪ |
|
「平和は人類最高の理想である」(ゲーテ)
--------------------------------------------------------------------------------
戦争が避けられないものと思い込んでいるマスコミの現状について、一言、物申す。
米英両国軍隊のイラク攻撃が、あたかも不可避的な事柄、必然の事柄のように報道されている。たしかに、強大な米国政府、ブッシュ大統領の暴走を止める力は世界にはないかもしれない。各国政府は、強大で尊大なブッシュ大統領の前にひざまずくしか自分の政府の安全を守る道はないと考えている。ブッシュ大統領は、したい放題、言いたい放題である。
ブッシュ大統領は1月3日、テキサス州フォーフッド陸軍基地で、対イラク攻撃に参加するとみられる約4千人の兵士を前に演説し、「われわれは勝利するだろう。(イラク)征服のためでなく、人々を解放するために戦う」と強調した。(東京新聞1月4日夕刊)
ブッシュ政権の行動は、対イラク戦争を実行することを前提としている。口実はなんでもいいという姿勢である。はじめはイラク政権はテロ集団とつながっていることが軍事行動の理由だった。次にサダム・フセイン政権は大量殺戮兵器を保有しており、これを米国に向かって使用する危険があるため、あらかじめこの危険性を除去することが目的だ、と言った。次には、イラク政権が嘘をついていることがわかったら攻撃する、と言い始めた。ところが、国連査察を行っても、大量殺戮兵器についての動かしがたい証拠はみつからない。その間、米英軍はイラクの首都バクダット以外の地域には容赦のない攻撃を仕掛けている。
最も驚くべきことは、米国政府が「イラク政府の嘘が明らかになったら軍事行動をおこす」と強調し始めたことだ。嘘は悪であるが、嘘を理由に武力攻撃をしイラク国民を殺傷するというのは、あまりに乱暴すぎる。
そして今度は「イラクの人々を(サダム・フセインの独裁政治から)解放する」と言う。この理屈、どう考えても筋が通らない。米国政府は、親米政権であれば独裁政権を認めてきた。いまのサウジアラビア政権を誰も民主的政権とは見ないだろう。しかし米国政府はこれを支えてきた。米国政府の基準は「親米」か「反米」かである。親米なら許す。反米なら許さないというのである。
要するに、ブッシュ政権は戦争することを自己目的にして、そのきっかけを狙っているのである。
各国政府はブッシュ大統領に睨まれるのを恐れている。ブッシュ大統領は「敵か味方か、中間はない」と主張する。いかなる政府にとっても、ブッシュ政権から敵と認定されたら大変である。数々のいやがらせを受けるだけではない。武力攻撃すら受けるかもしれないのである。ブッシュ大統領は世界の征服者になろうとしているようにすら見える。各国政府は面従腹背にならざるを得ない。ところが小泉政権は表も裏も従米主義をとる政権である。
問題はマスコミである。マスコミまでブッシュ政権に遠慮しているとしたら、明らかに自立性の放棄であり、行き過ぎである。マスコミは報道機関としての社会的責任を果たすため、戦争反対の姿勢を明らかにすべきである。
国民の間に無気力とあきらめが蔓延しているように見える。
われわれは、戦争反対の声を上げなければならない。巨大権力の乱暴な軍事行動を阻止するために、世界諸国民は立ち上がらなければならない。報道機関は、戦争と平和に対して中立的であってはならぬ。戦争に反対し、平和を強く主張すべきである。