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宮崎正弘の国際ニュース・早読み
平成15年(2003)1月14日(火曜日)
通巻473号
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米国の対中国強硬派「ブルーチーム」が意外な苦戦を強いられる
融和派が国務省トップを固め、ブッシュは親父と同じ対中大甘路線を歩み始めた?
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「米中対決時代」が来た、というのは拙著の題名である。2020年代には中国の軍事力が米国と肩を並べ世界的覇権を狙い、米国と対決姿勢にはいるだろう。
この基本構造に変化はないが、短期的に米国は、修辞学のベテランでもあるから、中国を「パートナー」などと呼んで再び持ち上げ、暫定的な「蜜月」を装う。
理由は単純にして明快だ。
イラク戦争への協力、北朝鮮の暴走をくい止めるエージェントの役目。このためにワシントンは中国のパキスタンや北朝鮮、イラン、イラクへの武器密輸を黙認し、新彊ウィグル自治区の過激イスラム活動家への弾圧を黙認し、台湾との軍事合同演習や共同作戦を引っ込めたのである。
台湾独立を支持しないとブッシュは明言し(アーミテージは「支持しないが反対もしない」と発言したが、大統領は後者の台詞は吐かなかった)、ついでに小泉首相の対北朝鮮援助外交の独走に疑惑を深める。
ワシントンは日本にも辛く当たりだした。
尖閣諸島への中国の暴言にも沈黙している。
●ブルーチーム、活躍の場へ
ブッシュ政権発足直後、クリントン時代には日陰者扱いされ、冷笑されてきた「ブルーチーム」は、いきなりスポットライトを浴びせられた。
核大国、軍国主義・中国を封じ込めよ、と主張する面々が政権内でも力を得たかに一時は見えた(詳細は拙著「米中対決時代が来た」、角川書店刊)。
すべてが逆転し始めるのは「9・11テロ事件」だった。
昨秋10月25日には、地元テキサス州の自宅へ江沢民を招待し、「同盟者」と呼んでブッシュは持てなした。
中国嫌いの多いペンタゴンですら「軍事交流はやめよ」とする合唱を一時的に中断し、中国人民解放軍の最強硬派として悪名高い熊光楷将軍一行を歓迎した。米艦隊は中国へ寄港した。
だが、表層の動きを叙述するのはこれくらいで良いだろう。本質的に言えること。米国の対中国穏健化は当面の戦術でしかない。
現実に軍事交流では高度技術移転を頑迷に拒み、衛星技術で最も微妙なハイテクを内緒で中国に供与したボーイングとヒューズを告発し追徴金を課した。
ポーズとしては片足を北京に、もう片足を台北に置いているかにブッシュ政権は装っているけれど本心は台湾擁護、イラクと北朝鮮が片づいたら、中国は再び戦略的競合相手の位置に戻す意思がありありだ。
人事面でも「その意思」が滲み出ている。
●強硬派、陸続として配置につく
最近、台湾公使に任命されたのはシレッセ・シャヒーン。彼女はラムズフェルド国防長官の主任補佐官ローレンス・デリタと結婚している。デリタは武器管理担当で台湾への武器供与推進派の頭目。イージス艦も台湾へ供与せよ、と言い続ける。
議会での中国調査チームは(正式には米中安全保障検証委員会)、マイケル・レディーンというこれまた「ブルーチーム」の猛者が率いる。マイケルの夫人バーバラはシャヒーンの親友である。
ところで駐台湾米国大使(正式には米国台湾協会代表だが、事実上の大使だから、こういう)は、ダグラス・パールというパウエル国務長官に近いハト派、というより親中派だ。
パールは中台接近を前向きに評価しているが、米国ブルーチームの、たとえばアーサー・ウォルドロンやグレィ・シュミットら新保守主義の論客から批判され続けている。
国務省はハト派の牙城だが、ここにも最近は「ブルーチーム」の面々が食い入っている。
副長官ウォルフォウィッツは言うまでもないが、次官で技術移転担当のボルトンもブルーチームの一員だ。ボルトン次官は北京に批判的人物である。イスラエルの中国への武器供与を中断させたのも、このチームだ。
外野席もウィリアム・サファイア、チャールズ・クラウサマー(小誌1月7日号で紹介した)ら保守派論客が健在で「中国を疑え、中国に高度技術を移転するな」などと正論を主張し続けている。
国際環境はブルーチームに苦戦を強いたが、実態はまだまだ影響力を失っていないようである。
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(Blue Teamとは、「親中派}(Red Teamに対してつけられた保守派集団を指すワシントンの隠語)。
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北京、上海、香港が各々ディズニーランドを建設し、観光客の争奪戦を展開する
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一方で日本を脅す核兵器搭載ミサイルを二百数十基並べている中国。他方では愚民化政策にも血道をあげている。
お笑いはディズニーランドを三つもつくって大いに儲けよう、東京、大阪の真似をしようと途方もなく惚(ほお)けた話を具現しようとしていることである。
すでに香港のディズニーランド建設は五年も前に決まり、空港のあるランタオ島開発では1月11日に起工式が行われた。期待はピークを迎えている。
2006年完成予定、香港での雇用は一万八千人、年間600万人の集客を予想している。これは米国本社が43%を出資し、残り57%を香港政庁が出した合弁「香港国際テーマパーク株式会社」が経営する。投資金額29億ドル。広さ、実に310エーカー(およそ125万平方メートル)。空港から10分、香港市内からも4,50分足らずで遊びに来られる。
昨年一年間に中国から香港の観光に出た人は600万。おもに広東省、福建省の人だが、人民元が大手を振るって使える旧英国領の物価高を計算に入れていない。
同じ2006年を目処に開業を目指す、と鼻息も荒いのは上海だ。
上海市政府が浦東開発区に「テーマパーク」(ユニバーサル・スタジオ)の建設を決めたのである。
また北京にもオリンピック直前を目処に「ユニバーサル・スタジオ」を建設しようとディズニー本社と最終的調整に入った(「インタナショナル・ヘラルド・トリビューン」、03年1月9日号)。
彼らが想定しているのは東京ディズニーランドの成功と、引きづついて大阪でもユニバーサル・スタジオの予想以上の繁盛ぶり、金儲けを日本だけに取られてなるものか、とでも言いたげである。
だが、東京ディズニーランドは東南アジアからの観光客が12%前後。所得も中間層が多い日本だからこそ繁栄した。くわえて「シーワールド」を増設し、リピーターを話さない。
米国はロスに二個所、フロリダにディズニーワールドがあるが、「9・11事件」以後は8%も売り上げを落とした。テロの所為もあるだろうけれど、半分は飽きられているからではないのか?
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(読者からの反応) ――孔子論争の続きですーー
ところで孔子の件ですが、毛沢東は孔子の信奉者ではないでしょうか。「貧しくてもいい。平等が重要だ。中国人全員(もちろん、天子である毛は除きます)は理念=毛沢東思想に忠実であれ。”滅私奉毛”だ」・・・これを毛の基本理念(まあ妄執ですね)とするなら、毛こそ現代の孔子では。。
「恒産なければ恒心なし」の孟子は、モノのあるところからモノのないところへモノを運び利益をうる「商い」を説いていたはず。恒心はともかくも恒産を基準に恣意的に誤解すれば儒教は拝金主義の哲学にもなりえます。なんたってシナ者は「無原則という大原則」です。(K・H生、名古屋)
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(おしらせ)
反響が多く、受講希望が殺到しています。このため、
矢島誠司氏「李登輝先生と武士道」の「公開講座」」は事前登録をお願いします。
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過日、下記のお知らせを申し上げたところ、多くの問い合わせを頂き、嬉しい悲鳴をあげております。なにぶん、会場が定員80名しかなく、当日せっかく来ていただいても入場をお断りする無礼があってはなりませんので、ご希望の方は事前登録をお願いします。(三島研究会事務局より)
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「公開講座」(三島研、国防研究会合同)は、産経新聞前台北支局長として何回もスクープをものにされ、台湾政治の内幕にも詳しい矢島誠司さんをお招きして「李登輝と武士道」について語って貰います。矢島さんは李登輝さんと個人的親交もあります。
台湾の心ある知識人はいまも後藤新平、新渡戸稲造、明石元二郎、八田與一などを尊敬しています。その根幹にある哲学は武士道でしょうか?
記
とき 2月5日(水曜日) 午後7時―8時半
ところ 高田の馬場 大正セントラルホテル 三階会議室
(会場は下記サイトに地図があります)
http://www.taisho-central-hotel.com/
演題 「李登輝先生と武士道」
講師 矢島誠司 前産経新聞台北支局長
会費 おひとり 2000円
問い合わせ 03−3232−8470
事前登録は miura@nippon-nn.net
なお、質疑応答終了後、近くの居酒屋にて講師を囲んでの懇親会も開かれます(会費、別途2000円です)。
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さて、事前登録の方法は至って簡単です。
miura@nippon-nn.net
へ「2月5日公開講座希望」と書かれ、@お名前Aemail アドレスB「懇親会」にも出席、欠席の表示をしてください。定員80名で締め切りとさせていただきます。上記お願い申し上げます。
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● 在庫のご案内●
(紀伊国屋書店チェーンでは下記の拙著が在庫されております。EX。「福岡」「名古屋」と表示されているのが在庫のある店ですーー03年1月10日現在)。
1.胡錦濤・中国の新覇権戦略
宮崎正弘 /KKベストセラ−ズ 2002/11出版 252p 19cm NDC:302.22 \1,480(税別)
在庫店:[南店][本店][福岡][梅田][札幌][広島][徳島][神戸][横浜][大手町][名古屋][大津][岡山][松山][天神][熊本][長崎]
2. ユダヤ式最強の「反撃話術」(成美文庫 )
宮崎正弘 /成美堂出版 2002/08出版 235p 15cm NDC:361.3 \524(税別)
在庫店:[南店][本店][福岡][梅田][札幌][広島][徳島][大手町][名古屋][大津][岡山][松山][長崎]
3. 拉致(徳間文庫 )
宮崎正弘 /徳間書店 2002/05出版 411p 16cm NDC:913.6 \590(税別)
在庫店:[南店][本店][福岡][梅田][広島][神戸][横浜][名古屋][岡山][天神][熊本][長崎]
4. ユダヤ商法と華僑商法(合理主義vs地縁血縁主義 )
宮崎正弘 /オ−エス出版 2002/02出版 255p 20cm NDC:335.58 \1,600(税別)
在庫店:[南店][福岡][梅田][徳島][横浜][岡山]
5. 本当は中国で何が起きているのか
宮崎正弘 /徳間書店 2002/02出版 284p 20cm NDC:302.22 \1,600(税別)
在庫店:[南店][本店][福岡][梅田][札幌][広島][徳島][神戸][横浜][大手町][名古屋][大津][岡山][天神][熊本][長崎]
6. 「円vs人民元」
宮崎正弘 /かんき出版 2001/10出版 237p 20cm NDC:332.22 \1,600(税別)
在庫店:[南店][福岡][広島][横浜][大手町][名古屋][岡山][天神][長崎]
7. テロリズムと世界宗教戦争
宮崎正弘 /徳間書店 2001/10出版 228p 19cm NDC:316.4 \1,200(税別)
在庫店:[本店][福岡][梅田][広島][横浜][名古屋][大津][長崎]
8. 風紀紊乱たる中国
宮崎正弘 /清流出版 2001/07出版 294p 19cm NDC:302.22 \1,500(税別)
在庫店:[本店][福岡][梅田][広島][横浜][大手町][名古屋][岡山][熊本]
9. 米中対決時代がきた(日本の針路を問う)
宮崎正弘 /角川書店 2001/04出版 231p 20cm NDC:319.530 \1,400(税別)
在庫店:[南店][本店][横浜][岡山]
10. 三島由紀夫はいかにして日本回帰したのか
宮崎正弘 /清流出版 2000/11出版 332p 20cm NDC:910.268 \1,800(税別)
在庫店:[南店][本店][福岡][広島][大津][松山]
11. 三島由紀夫『以後』
宮崎正弘 /並木書房 1999/10出版 286p 20cm NDC:910.268 \1,700(税別)
在庫店:[本店][福岡][長崎]
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宮崎正弘のホームページは
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□ 本誌はほぼ日刊(平日)★転送自由★(C)宮崎正弘事務所2003年★
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