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Newsweek Japan Online★日本の「腹のくくり方」★
北朝鮮の「瀬戸際外交」をめぐって周辺諸国の動きがあわただしい。日米韓の3国で政策協議をやり、アメリカが対話路線を打ち出したにもかかわらず、北朝鮮はNPT(核不拡散条約)脱退を宣言して、一段と瀬戸際まで迫ってきたからである。ロシアを訪問した小泉首相は、プーチン大統領と会談し平和的解決で合意したとはいえ、具体的な手だてがあるわけでもない。
日本に外交的なテコがないわけではない。北朝鮮には日本から巨額の資金が流れ込んでいる。その栓をちょっと締めるだけでも経済的に疲弊する北朝鮮への影響は大きいだろう。これはムチだ。
食糧援助というアメもある。ただ日本も「人質」を取られている。日本に帰国した拉致被害者の家族、それに拉致された疑いのある人々や北朝鮮側が死亡したと発表した拉致被害者の人々。さらには北朝鮮に渡った日本人妻たち。これだけの日本人を人質に取られていては、おいそれとムチの政策は取りにくいのも事実だろう。 それだけではない。東アジアの安全保障という観点から見たとき、北朝鮮問題をどのような観点から考えるのかという「腹」をくくらなければなるまい。北朝鮮の核武装を放棄させるというのが究極的な目標であるが、もしそれに失敗したとき(つまり北朝鮮が核武装したとき)にどうするのか、ということである。
考えたくはないが、北朝鮮との武力対決というシナリオもありうるのである。もちろん日本がやらなくてもそのときはアメリカと韓国が中心になるだろう。しかし米軍が出動するということは、自衛隊も出動するということなのだ。そのときには集団的自衛権の憲法論議など吹っ飛んでしまう。だからこそ今から最悪のシナリオも考えておかなければならないと思うのである。
1945年以来、とにかく日本人は安全保障に関しては「見ざる聞かざる言わざる」を通してきた。何かを言えば、それは日本に侵略されたアジアの諸国の警戒心を刺激することになったからであり、アメリカも日本が独自の防衛政策をとることを許しはしなかったからである。安全保障に関する思考停止のおかげで、日本は奇跡の経済復興を遂げ、世界第2位の経済大国になった。 それはそれでよかったが、結果的に日本の安全保障論議はきわめて初歩的なレベルでとどまっているのも事実である。
いまや政治の世界では化石のような存在となっている旧社会党など、その典型と言ってもよい。「戦争は悲劇です」というのは誰も反対はしないが、それを防ぐ手段をどうするのかという具体的な議論なしにひたすら「話し合い」などというのはナンセンスであり、有害である。
なぜなら「絶対平和主義」という聞こえのいい言葉さえ唱えていれば平和でいられるような錯覚をわれわれ日本人の間に蔓延させているからである。
その意味では、民主党の菅代表が与野党が一致団結して北朝鮮危機にあたらねばならないと言ったのは理解できる。ただ自民党にしろ民主党にしろ国家的危機にどう対応すればいいのか、与野党どころか身内を固めるのさえむずかしい。もっともいちばん「腹をくくらなければならない」のは政党より国民自身である。(藤田)
北朝鮮にもっとも無害な形で崩壊してもらい、韓国に引き受けさせるか国策として、戦略を立ててほしいものだ。Ddog