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【ワシントン中島哲夫】フライシャー米大統領報道官は13日、対イラク武力行使の可能性に関連して、「ブッシュ大統領はいかなるスケジュールも設定していない」と述べた。国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)による集中的な査察でも大量破壊兵器が発見できないことなどから、攻撃可否の決定が予想より遅れるとの観測が流れ始めており、報道官の発言は微妙な波紋を広げている。
報道官は定例記者会見で「国際原子力機関(IAEA)の幹部らが、十分な査察には、長ければ1年を要するといった発言をしている」「ブッシュ大統領は1年でも待つのか」「イラク周辺に展開している米軍は、テントや航空機や艦船の中で待ち続けるのか」――といった質問に、ことごとく「大統領はスケジュールを設定していない」と答え、詳細な説明を避けた。
報道官はまた、ブッシュ大統領の見解として「査察官の役割は極めて重要だ」「彼らは任務を遂行中だ」と述べた。直接的には査察尊重を意味する発言だが、その作業の長期化を容認する兆候と見る向きもある。
ブッシュ政権は現在、イラク周辺への米軍増派を進めている。これは査察に対するイラクの抵抗を抑止する圧力と同時に、今月末の査察結果の報告でイラクの「重大な違反」が明らかにされた場合、速やかに武力行使に踏み切る狙いだとの見方が支配的だった。
しかし、疑問の余地のない「重大な違反」がこれまで確認されないことや、軍事攻撃には新たな国連安保理決議が必要だとの見方が国際社会で強まってきたこと、ローマ法王など宗教界も戦争に反対していることなどから、早期の開戦は不透明になりつつある。
一方、米紙USAトゥデーは13日、米国防総省高官の話として、ペルシャ湾岸地域への米軍の展開が予定より遅れ、開戦準備が整うのは2月末になると報じた。これが、査察が延長されても構わないというブッシュ政権の姿勢につながったとしている。
[毎日新聞1月14日] ( 2003-01-14-13:04 )