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【バグダッド小倉孝保】米国のイラク攻撃を回避するため、アラブ諸国政府などがフセイン・イラク大統領の亡命を画策しているという情報が昨年暮れごろから飛び交っている。しかし、イラク内では「フセイン大統領は死ぬまで大統領職に固執する」とする意見が圧倒的で、大統領が亡命を受け入れる可能性はないとみられる。
有力汎アラブ紙「アッシャルク・アルアウサト」は9日、アラブ外交筋の話として、サウジアラビア政府高官が12月に秘密裏にイラクを訪問し、フセイン大統領が辞任を受け入れる可能性を探ったと報じた。大統領が辞任を覚悟すれば、サウジが亡命を働きかける計画だったという。
また、同日付のドイツ紙「ターゲスツァイトゥング」も米国とロシアの外交筋の話として、米露両国が協力してフセイン大統領の亡命を計画していると報道した。亡命先としてはロシアが検討され、先月からすでに露特使がバクダッドに滞在。可能性があれば、プーチン大統領自身がバグダッドに乗り込むことも検討されているという。
このほかにも、エジプト、リビアなどが亡命受け入れをイラク側に提案したと報道されたことがあるが、11日付のアッシャルク・アルアウサト紙で、リビア、サウジ両政府が正式に亡命画策を否定。エジプトもマーヘル外相がエジプトが亡命策に加担しているとの情報を否定している。
一方、イラク国内の外交筋は、米国は攻撃準備をすでに整えているとした上で「攻撃回避にはフセイン大統領の亡命しかないと考えた親米諸国が亡命を画策しているようだが、亡命はフセイン大統領にとっては敗北。大統領は絶対に受け入れない」と断言する。
また、イラク人ジャーナリストも「フセイン大統領は自国民の安全よりも自身の命が大切だが、亡命先では自分の身の安全が保証されない」と亡命の可能性を否定する。イラク国民も外国からのラジオ放送などでこうした情報を得ているが、「大統領は死ぬまで大統領職に固執するはずだ」と冷めた反応がほとんどだ。
[毎日新聞1月12日] ( 2003-01-12-22:33 )