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01/12 16:23 各国の利害ぶつかるロ極東 不可欠な日本の長期戦略 外信22
【ハバロフスク12日共同】小泉純一郎首相は十二日、歴代首相
として初めてロシア極東を訪問、エネルギー分野の協力などをてこ
に、この地域で日本の存在感を高めていく姿勢をアピールした。
これまで国際政治の「空白地帯」だったロシア極東は、その豊富
なエネルギー資源をめぐり、中東への石油依存度を減らしたい米国
、石油需要が高まっている中国などが進出拡大を狙い既にしのぎを
削り始めている。
日本がこの中に割って入るためには、北方領土問題を含めたロシ
アとの安全保障など多面的ビジョンの構築と、継続的に取り組む覚
悟が必要になる。
ロシア極東は中国、北朝鮮に隣接し、日本との歴史的つながりも
深いが、国内的にはモスクワから遠く離れ、社会基盤整備が立ち遅
れており、プーチン政権は地域の将来に危機感を抱いている。
地域人口は約七百万人とソ連崩壊後の十年間に12%以上減少。
一方で中国人移民が大量に流入し、プーチン大統領は「ロシア人が
労働市場から締め出されている」と中国の脅威を指摘している。
大統領はシベリア鉄道と朝鮮半島の鉄道との連結計画を推進、ア
ジア―欧州間を結ぶ物流の大動脈に極東部を組み込むことを狙う。
小泉首相はこのような情勢をにらみつつ、十日のプーチン大統領
との会談で東シベリアからナホトカ港に至る石油パイプライン建設
を働き掛けた。中国とロシアが既に合意している中国ルートと競合
する提案だ。
しかし大統領は「興味深いが、資金確保などの問題がある」と慎
重姿勢を示した。「戦略的パートナー」である中国への配慮とみら
れ、一筋縄ではいかないロシアの極東戦略を象徴している。
一方、アラスカで極東と向かい合う米国も、石油など未採掘資源
が眠る東シベリア海の調査をロシアと共同で進める方針を表明、米
ロ蜜月を背景に極東へのてこ入れを強める姿勢だ。
「労働力輸出」の形で、既に数千人の労働者を極東に送り出して
いる北朝鮮も、この地域の動向には神経をとがらせている。金正日
総書記が二年連続で極東を訪れたことが、その関心を物語っている
。
どの国とどう組めばより大きい実利を得られるか。プーチン政権
は経済、安保などあらゆる面の損得を計算し、極東を舞台にした外
交駆け引きを活発化させるとみられる。
(了) 030112 1623
[2003-01-12-16:23]