現在地 HOME > 掲示板 > 戦争21 > 244.html ★阿修羅♪ --> |
|
(回答先: 「窓」―危険すぎて 投稿者 Ddog 日時 2003 年 1 月 11 日 14:29:56)
いかにも朝日新聞らしい「お粗末」記事だが、黙っていると、私までが、同類と見なされ兼ねないので、一言だけしておく。
この投稿によると、朝日「窓」氏は、大略、以下のように記したらしい。
「やるならやってみろ」という開き直りに手をこまぬいているとモラルハザード(倫理観、道徳観の欠如)を助長する。これは経済の世界だけではなかろう。 [中略]米国の身勝手外交はモラルハザードを世界に一層広げはしないか。〈桐村英一郎〉
私は、超多忙中ゆえ、出典は省く。電網検索でも出てくるから、お試しあれ。
モラル・ハザード(moral hazard)の本来の意味は保険用語にその源流をもつ。当初、この現象は保険が引き起こす道徳心の低下と解釈され、道徳的危機とも訳せるこの表現があてられた。
しかし、これは国際的に、特に、ラテン語を主要な技術用語とする欧米では、笑い者になるしかない「誤訳」なのである。
少しはましな英和辞典なら、moral hazardを、以下のように説明している。
「被保険者の信用度や誠実度に関して保険会社が負担する危険、通例、保険詐欺の危険性をいう」
「:被保険者の信用度や誠実度に関して保険会社が負担する危険;通例、保険詐欺の危険性をいう」
moralは、中期英語<ラテン語 molaris (mos「習慣」より)と説明される。
関連の意味と用例には、以下がある。
「(証拠によらず心証などから類推して)ありそうな、公算の大きい」
a moral certainty まず間違いのないこと
moral evidence 蓋然(がいぜん)的証拠
普通の英和辞典は、日本人向けだから、時代が下って「習慣」が、偉っそうな「道徳」に、格上げだか格下げされて以後の方の意味だけを取っている。受験英語なら、それでも間に合う。そこで、実に漫画チックな日本式「誤訳」が横行し始めたのである。
たとえば『資本論』の初期の訳書には、「機械の道徳的摩滅」という表現があった。これを丸暗記して講義する大物もいた。
しかし、機械が「道徳的」である得るなどとは、いとも「奇怪」至極な事態である。これも「習慣的」ないしは「世俗的」摩滅の意味だったのである。新式の機械がで出回ると、古い機械は、磨り減っていなくても、事実上、摩滅した機械と同様に、価値が下がり、ついには引退せざるを得なくなる。まあ、そんな機械で、お粗末な商品を作って売れば、「道徳的」に批判されることもあり得るだろうが。
そういう意味では。今、「道徳的」に問題なのは、本来の意味を取り違えた「亡国」どころか「国際的な笑い者」の「ジャパン愚リッシュ」を、得意げに振り回す高給取りの自称「高級紙」サラリーマン新聞記者などのことなのかもしれない。呵々