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【ニューヨーク=勝田誠】国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)のブリクス委員長が9日、国連安全保障理事会にイラク査察中間報告を提出したが、安保理内では、査察団が今月27日に2か月間の査察活動を総括する最終報告を提出した後も、査察を継続すべきだとの意見が強まりつつある。
米国は成果がないまま査察が長期化することには断固反対の立場だが、英国も査察継続論に傾く中で、今後は、最終報告後の査察期間をどの程度認めるかをめぐる理事国間の駆け引きが事実上の焦点となりそうだ。
ブリクス委員長は先月、イラクの大量破壊兵器申告書について「重大な遺漏」があると初期評価を下したが、この際は、新たな安保理決議なしの武力行使に反対するフランスも含め、申告を問題視し、武力行使は不可避との観測も流れた。しかし、わずか3週間で、安保理の雰囲気は変わってきた。
これは、イラクが新たな要素がほとんどない申告書を提出し、査察についても「積極的な協力姿勢が見られない」(ジェレミー・グリーンストック英国連大使)ものの、査察妨害など明白な「重大な違反」行為を行っていないという現状が影響している。フセイン政権の一種の“面従腹背”がある意味で功を奏した形ではあり、米英政府内でも、この状態では、早期開戦への国際的支持を取り付けにくいとの判断が働いたようだ。グリーンストック英大使が9日になって、「27日の報告書は最終的なものでなく、一連の報告のひとつに過ぎない」と軌道修正を始めたのもそのためだ。
米英の“迷い”が伝わった結果、安保理の大半を占める開戦慎重派の勢いが増した。
現に、今年から非常任理事国入りしたドイツは9日の非公式協議で、「対イラク攻撃には法的根拠が無い」(ギュンター・プロイガー国連大使)として、米国の主張に真っ向から反対。査察に十分な時間を与えるべきだとの意見が大勢となってきている。
(1月10日23:39)