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【エルサレム海保真人】シャロン・イスラエル首相は9日夜、知人の実業家からの多額資金受領疑惑について国民向けにテレビで生中継の記者会見を行った。ところが、首相は冒頭の演説部分で疑惑とは関係ないライバル政党・労働党の批判を繰り返したため、中央選挙管理委員会は「総選挙(今月28日)公示期間中の選挙宣伝にあたる」と判断、各テレビ局に約10分間で中継を打ち切らせた。公の首相会見としては前代未聞の失態で、疑惑の説明も不十分だったことから、さらなるイメージ・ダウンは必至とみられる。
シャロン首相はこの日、各メディアに疑惑の釈明会見を行うことを予告。午後8時からの演説では、いきなり「労働党は私を追い落とそうとしている」などと同党とミツナ党首個人に対する批判を展開した。
その後、資金受領疑惑の端緒となった不正な政治献金100万余ドルの返済問題について「とにかく早く返したかった」「息子が適正に処理したはずだ」「スキャンダルは存在しない」などと釈明を始めたが、そこで突然、中継が打ち切られた。
各テレビ局は視聴者に放送中止を謝罪したうえで、中央選管が発表した「発言内容にある労働党攻撃は、明らかに(放送法で)禁じられている選挙宣伝にあたる」とのコメントを紹介した。以後、約30分間、各局は首相が続ける会見シーンを遠めの映像で音声なしで流し、「こんな会見なら、やらない方がよかった」などという識者の声を交えながら、特別番組の時間を埋めた。
シャロン首相は中継されなかった以後の会見で、問題の南アフリカ在住の実業家について「48年のイスラエル独立戦争時からの親友だ。息子は彼から金を借り、返したが、それが贈収賄なのか」と反論した。しかし、報道陣による疑惑に関する詳細な質問には、「私は知らない」を繰り返し、あいまいな印象を残した。
[毎日新聞1月10日] ( 2003-01-10-10:59 )