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01/05 14:46 安保確保で経済発展へ 対米接近目立つカタール 外信11
共同
米国の対イラク攻撃準備で、ペルシャ湾岸の小国カタールの基地
提供を通じた協力ぶりが目立っている。同国の思惑については、安
全保障の確保を経済発展につなげる狙いのほか、無血宮廷クーデタ
ーで権力を握ったハマド首長が米国に自らの権力基盤の後ろ盾を求
めたとの見方がある。
カタールは昨年十二月、アルウデイド空軍基地の整備に伴う米軍
の新たな基地使用協定に署名。同基地は最大の出撃拠点の一つにな
るとみられている。米軍の作戦指揮一元化の機能を試す演習「イン
ターナルルック」もカタールで行われた。
カタールが米国に安全保障の依存度を高める中、外交筋は「安全
保障と経済発展はもちろん表裏一体だ」と指摘する。カタール経済
を支えるのは原油と天然ガスの生産。輸出収入に占める割合は、石
油50%、天然ガス37%(昨年)だが、近い将来、天然ガスが石
油を上回るとみられている。
カタール大学湾岸研究センターのハッサン・アンサリ所長(中東
史)は「天然ガスを液化して輸出するには多大な投資が必要で、顧
客との長期契約が欠かせない。安全保障を確保することなしには到
底、実現できない」と説明する。
米国との緊密化は、ハマド首長の権力掌握の経緯に遠因があると
の分析もある。ハマド氏は一九九五年、父親のハリファ首長(当時
)の外遊中に首長即位を宣言。カタール同様、国王や首長が全権を
握る湾岸諸国にとって「父親を追い出したカタールの権力交代劇は
不快だった。ハマド首長が(権力維持に当たり)周辺国に頼ること
はできず、米国への傾斜を深めるのは当然の成り行きだった」と、
クウェート紙アッライ・アルアームの編集幹部は指摘する。
カタールの衛星テレビ、アルジャジーラによる各国王室批判の報
道もあり、カタールと周辺国の関係はきしみが目立っている。十二
月下旬に首都ドーハで開かれた湾岸協力会議(GCC)首脳会議に
は加盟六カ国中、四カ国の首脳が欠席。アラブ諸国の反米デモでカ
タールがやり玉に挙げられるケースも出てきた。
だが同国内では、対米協力への批判や反米感情を耳にすることは
少ない。アンサリ所長は「国民は、カタールが強い友人(米国)を
必要としており、ほかに選択肢がないことを理解している」と話し
た。(ドーハ共同=金子大)
(了) 030105 1445
[2003-01-05-14:45]