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(回答先: 首都周辺で化学兵器防御戦の演習 イラク最精鋭部隊 CNN 投稿者 j.Bush 日時 2003 年 1 月 04 日 01:22:48)
経済制裁下のバグダッドが、不思議な繁栄ぶりを見せている。市中に物資はあふれ、市場や商店は活気に満ち、レストランは大繁盛だ。米英の武力行使に対する市民の危機感は薄い。時に氷が張る冬の厳しさにもかかわらず、イラクの首都は春の気分に満ちていた。
●…物資はんらん
昨年暮れ、市内中心部の市場「アルスーク・アルアラビー」は家族連れや若者グループでにぎわっていた。少年らが品定めに忙しいジーンズ店には、中国や東南アジア各国、トルコと、様々な輸入元のものが並ぶ。
隣の電気製品市場ではオーディオ機器からテレビまで何でもそろう。「制裁後は日本製から中国製に変わったけど、その分値段も下がった」と店主のアベット・カシムさん(30)。
市内のレストランも連日大にぎわい。たらふく食べて1人あたり1ドル(約120円)程度。前菜からメーンまで豪快にテーブルに並べ、食べ散らかし、食べ残すのがここの流儀だ。
バグダッドの生活事情は今、通信事情が悪い以外は、他のアラブ諸国の大都市とほとんど変わらない。日用品は安く、音楽や映画のソフトは違法コピーものがはんらん。「経済制裁」につきまとう悲惨なイメージは、市内で見る限り乏しい。
●…戦争は神次第
繁栄の理由は、96年に人道的な見地から始まった「石油と食糧の交換」計画が次第に、制裁の抜け穴と化してきたことだ。当初食料や医薬品に限られていた輸入は徐々に拡大。「メンテナンス用」との口実で機械類も認められた。00年にバグダッド空港が再開され、ヨルダン、シリアへの定期便や国内便が就航。物流や人の交流が急速に伸びた。
豊かになるにつれて独裁の締め付けも緩んだと、多くの人が証言する。フセイン政権批判は以前、本当に命がけ。近年はこっそりとだが「現政権はいつまでもつか」程度の言葉を漏らす人がいるという。
湾岸戦争の再来を予想する市民は少なく、大規模な戦闘にはならないのではないか、との楽観的な見方が支配的だ。
市場で駄菓子屋を経営するモハメド・ハッサンさん(32)は「湾岸戦争以来ずっと空爆は断続的に続いているから今さら怖いことはない。戦争? インシャアッラー(神がお望みなら)」。
●…学問の道は険し
ただ、首都を一歩外れると、こうした繁栄とは無縁。地方には未就学児童も多く、北部クルド人地区、南部イスラム教シーア派地区では政府による弾圧の報告もある。
制裁による影響が続くのは学問の世界だ。大量破壊兵器開発につながる自然科学を中心に専門書は輸入規制の対象。毎週金曜日バグダッド市内に立つ古本市は、知識に飢える多くの研究者やインテリが集まる。
こうした状況を改善しようと、隣国ヨルダンではイラクに専門書や教材を贈る運動「バグダッド図書キャンペーン」が始まった。昨年秋に第一陣の書籍6500冊を発送したという。
運動を主導しているのは、アンマン在住のヨルダン人ファワズ・ズレカトさん(48)。「もしイラクが親米だったら、米国も独裁など問題にしないはず」とフセイン政権を擁護する。
ズレカトさんの本職はイラクとの貿易商。「武器は扱っていないけど、制裁を守るつもりなど全然ないね」。バグダッドにあふれる物資は、こうした商人たちによって支えられているようだ。