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12/29 15:01 「フセイン後」に危機感 イラク依存のヨルダン 外信426
共同
中東きっての親米国家でありながら、イラクとも政治、経済的に
深いつながりのあるヨルダン。米国の対イラク攻撃が現実味を増す
につれ、危機意識を募らせている。
ヨルダンは、国連制裁下にあるイラクと国境を接する地の利を最
大限に生かし、バグダッドとアンマンの定期航空便をいち早く再開
するなど、独自の「イラク・ビジネス」を展開してきた。だが、昨
年九月の米中枢同時テロ以降、米国がイラクのフセイン政権打倒の
意志を固めたことで、状況が一変、イラクの体制変更が及ぼす政治
・経済への影響におびえている。
ヨルダンには約三十万人のイラク人が住む。ヨルダン大学のガジ
・ラババ教授(政治学)は「イラク人は豊富な資金をヨルダン政府
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の上層部やマスコミ関係者にばらまき、影響力を行使してきた」と
指摘する。
その結果、ヨルダンの「世論」は「親イラクというより、ずばり
親フセイン」(アンマンの外交筋)に染まった。「とうていポスト
・フセイン体制を論じられる状況ではない」とラババ教授は解説す
る。
ヨルダンとフセイン政権の間の「腐れ縁に似た関係」(外交筋)
は、経済面に端的に現れている。ヨルダンにとって、イラクは最大
の輸出先であり、米国に次ぐ輸入元だ。
特に、非産油国のヨルダンは原油輸入をイラクに全面的に依存。
原油輸入量は毎年、両国間の合意で決まるが、供給量の半分は無償
、残りは優遇価格で提供されている。しかも、有償分の支払いは一
次産品や医薬品、雑貨などの物納でも可能という好条件だ。
ヨルダン政府関係者は匿名を条件に「現実には水道水を詰めただ
けのミネラルウオーターといった怪しげなヨルダン産品による物納
がまかり通っている。イラク側も気付いているが、西側との窓口で
あるヨルダンとの関係を維持するため、黙認している」と話す。
「フセイン後」の政権が今までと同じように接してくれる保証は
ない。約35%が対イラク輸出用というヨルダン製造業界は、フセ
イン体制が崩壊し、後継政権が諸外国と正常な関係を結べば「まず
外国製品との輸出競争に太刀打ちできない」(外交筋)とされる。
経済が低迷すれば、人口の約六割をパレスチナ人が占めるという
潜在的「不安定要因」を直撃、政治的混乱が起きかねない。ヨルダ
ンはフセイン政権との特殊な関係の付けをどう清算するのか迫られ
ている。(アンマン共同=木庭慎吾)
(了) 021229 1500
[2002-12-29-15:01]