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【北京・坂東賢治】ドイツのシュレーダー首相は29日、3日間の中国訪問のため北京に到着し、人民大会堂で朱鎔基・中国首相と会談した。同夜の中国中央テレビによると、両首相はイラク情勢や北朝鮮の核問題、アフガニスタン情勢などで意見交換し、国連安保理を通じた協力を深めることで一致した。また、一層の経済協力の推進を確認した。
シュレーダー首相の中国訪問は4回目。同テレビによると、朱鎔基首相は欧州では中国最大の貿易相手国であるドイツの積極的な対中投資に歓迎を表明した。特に上海でドイツの技術を用いて建設している世界初のリニア高速鉄道を高く評価した。シュレーダー首相も同鉄道について「中独経済技術協力の重要な象徴だ」と述べた。
同テレビはイラクや北朝鮮問題をめぐる具体的な会談内容を明らかにしなかった。中国は米国の対イラク攻撃から距離を置くドイツの対応に好感を持っている。朱鎔基首相は会談で「国際問題をめぐる両国の認識はますます近くなり、共同の利益も増えている」と評価した。イラク問題の政治的解決を求める方針で一致したものとみられる。
また、両国共に北朝鮮と外交関係を持っており、北朝鮮に核開発の断念を働きかけると同時に平和的な解決を目指すべきとの認識でも共通している。シュレーダー首相は会談で元旦からドイツが安保理の非常任理事国となることを念頭に「安保理の枠内での協議、協力を強化したい」と述べた。中国が消極的な姿勢を示している核問題の安保理討議についても意見交換したものとみられる。
シュレーダー首相は30日、江沢民国家主席、胡錦涛総書記(国家副主席)と会談する。31日には上海で来年3月の営業開始を目指し、試運転を始めたリニア鉄道に朱首相と乗車する予定。多くの経済人も同行しており、日本と競合する北京―上海間の高速鉄道へのリニア技術の採用を売り込みたい考えだ。
[毎日新聞12月29日] ( 2002-12-29-21:09 )