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<読売>私有財産保護へ中国が法制度整備に着手
【北京25日=佐伯聡士】中国政府は、急成長する私営企業や個
人経営者の私有財産を保護するための法制度整備に乗り出した。
先の中国共産党第16回大会で示された基本方針の具体化を目指
すもので、経済成長を引っ張る民間部門の発展を後押しするのが狙
いだ。
国営新華社通信などによると、私有財産の保護を定めた物権法の
草案が23日、全国人民代表大会(全人代=国会)常務委員会に提
出され、審議が始まった。中国でも、契約や婚姻など民事を扱う個
別の法律はあるが、包括的な民法としては整備されていない。そこ
で新たに、物権法を含めて全部で1209条からなる総合的な法体
系を整えることになった。
物権とは、個人や企業が不動産などの財産を直接支配する権利で
、所有権や抵当権に当たる。その草案では、「いかなる者も物権を
侵害することはできない」とし、<1>国家は個人の貯蓄や、個人
投資で得られた収益を保護する<2>いかなる者も他人の不動産や
動産を権原なく占有する権利はない<3>不動産または動産が損害
を受けたときは、原状回復や損害賠償を請求できる――などと定め
ている。
経営不振の多くの国有企業に比べ、民間経済の成長は著しい。だ
が、私営企業家の間には、制度が未熟なままでは、安心して投資出
来ないという声が強く、同党大会の政治報告では、「すべての合法
的な収入は保護されなければならない」と、私有財産保護の方向性
を打ち出した。
だが、条文の多さや内容の複雑さから、「物権法を含めた全体の
法律は、成立までに2年以上かかる」との見方が強い。
識者の間では、「来春の全人代で憲法を改正し、『私有財産の不
可侵』を明記すべき」との議論も活発だ。「憲法に書き込めば、法
整備のペースは加速する」(蘇海南・労働社会保障省労働賃金研究
所長)と期待されるからだ。ただ、改憲に対しては党内でも慎重論
が強く、実際の法律制定までは辛抱も必要だ。