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ミサイル防衛、長官の「配備視野」発言が波紋 [読売新聞]
投稿者 あっしら 日時 2002 年 12 月 22 日 03:00:53:


 石破防衛長官が先のラムズフェルド米国防長官との会談で、日米両政府が共同技術研究を進める弾道ミサイル防衛構想について「開発、配備を視野に検討を進める」と語ったことが、政府・与党内で波紋を広げ、石破長官の発言も“迷走”し始めている。

 「一歩踏み出したと受けとめられる方が多いが、私はそう言っているわけではない」

 石破防衛長官は20日の記者会見で、釈明に躍起になった。というのも、これまで政府は「ミサイル防衛構想の研究段階であり、開発、配備段階への移行は別途検討する」との公式見解を崩しておらず、首相官邸からも「政府の姿勢は何も変わっていない」(福田官房長官)との冷ややかな反応が出ているためだ。

 石破長官の発言は17日にワシントンで行われた日米安保協議委員会(2プラス2)後のラムズフェルド長官との会談で飛び出した。実は米側は石破長官訪米前の12月初旬、慎重な姿勢を崩さない日本に対し、「ミサイル防衛の(技術面など)状況は変化している。構想全体への支持を表明して欲しい」と要請していたのだ。石破長官の発言は要請に応えるニュアンスのもので、政府内では「本格的な検討への第一歩だ。後戻りできない」と評価する向きもあった。

 ところが、石破長官発言に対しては、福田官房長官だけでなく、自民党や防衛庁の中からも「環境整備がまったく行われていないのに、わざわざ問題を大きくするだけの発言は理解できない」(防衛長官経験者)などと批判的な声が出て、石破長官への逆風が吹き始めている。

 背景には、費用と憲法問題による慎重論がある。ミサイル防衛構想が開発段階に入ると、日本だけで年間1000億円以上の巨額の費用がかかるとされるうえ、「他国に向かうミサイルを迎撃すれば(政府が憲法解釈で禁じている)集団的自衛権行使にあたる」との指摘もあるからだ。

 帰国した石破長官は19日、官邸で帰国報告を兼ねて首相に真意を説明。その後、発言は「政府の考え方は何も変わってない」に一変した。政府・与党内では、「事前に意思統一しないままに日米協議に臨むからこんな迷走になってしまう」(自民党筋)などとため息も漏れている。

(12月22日01:16)

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