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イラクの申告書について見解を述べるパウエル米国務長官=AP
【ワシントン19日=永田和男】パウエル米国務長官は19日、ワシントンで記者会見し、イラクが国連安全保障理事会に提出した大量破壊兵器に関する申告書について、「重大な申告漏れ」があり、イラクの武装解除などを求めた安保理決議への「さらなる重大な違反に当たる」とする米政府見解を明らかにした。武力行使につながる「さらなる重大な違反」と断定したことで、米国がいずれイラク攻撃に踏み切る可能性は一段と強まった。
一方で長官は、国連による査察は続けるべきだとも述べ、早期開戦の可能性を否定するとともに、当面はイラクに大量破壊兵器の廃棄を求める圧力を強めていく方針を明らかにした。
パウエル長官は申告書の問題点として、4年前に国連査察団が報告していた炭疽菌、ボツリヌス菌の貯蔵量と、その時点でイラクが申告した量の大幅な食い違いについて、今回の申告書でも説明がなかったことなどを指摘。申告書は「使い古しの情報と目に余る遺漏の目録」とこき下ろした。
そのうえで、イラクは査察にも非協力的で、国際社会を欺こうとする姿勢には変化が見られないと強調。「今後もこうした態度が続くなら、問題を平和的に解決することはできないだろう」と強く警告した。
長官は武力行使に関する決断の時期については言及を避けたが、「今後数週間のうちには国際原子力機関(IAEA)と国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)が報告を行うことになっている」と述べ、査察団が報告書を提出する期限の1月27日ころが一つの目安となることを示唆した。米国は今後1か月余りの間、国連に査察の強化を求める一方、武力行使に対する国際社会の支持・理解の取り付けを図るものとみられる。
19日付の米紙ワシントン・ポストも、ブッシュ政権が国連査察団の報告に合わせて1月最終週に攻撃に踏み切るかどうかを決定する方針だと報じていた。
パウエル長官は、「もし戦争になれば、人命の損失を最小限に抑え、極力速やかに大量破壊兵器除去とイラク国民解放という目的を達成することになるだろう」との見通しも示した。
(12月20日11:53)