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12/18 16:22 氷点下20度で電気ガス停止 「どこに行けというの 外信47
共同
ロシア南部チェチェン共和国に隣接するイングーシ共和国には、
チェチェン紛争を逃れた多数の避難民がテントなどで暮らす。ロシ
ア政府は最近、避難民たちをチェチェンに帰還させるため、キャン
プの電気、ガスを止めるなどの強硬策に出ている。イングーシ共和
国アキユルトにあるイマン・キャンプを訪れた。
今月初め、ロシア連邦移民局の職員が同キャンプの閉鎖を宣言。
数日後、電気、ガスが止められた。
厳冬を迎え、夜間は気温が氷点下二○度まで下がる。千二百人い
た避難民は多くがテントを畳み、チェチェンなどのキャンプへ移っ
たが、約百五十人がなお残り゛抵抗″を続ける。
チェチェンの首都グロズヌイから避難してきたアフメド・エルブ
カエフさん(46)の一家も残り組。当初は仮設テント暮らしだっ
たが、最近できたれんが造りの粗末なバラックに移ったばかりだっ
た。広さわずか十数平方メートルの一室に夫婦と子供十人の計十二
人が暮らす。電気、ガスが止められ、いっそう苦しくなった。
「部屋の水が凍る寒さ。コートなどを着たままで寝ているが寒く
てたまらない」とアフメドさん。
それでもチェチェンへの帰還を拒むのは、以前住んでいたアパー
トが破壊されてしまった以外にも理由がある。「四人の息子がどん
な目に遭うか分からない」。妻ローザさん(48)は不安な気持ち
を語った。
チェチェンでは連邦軍兵士が市民、特に男性を「武装ゲリラ」と
見なして、暴行を加えたり殺害したりすることが日常化。毎年多く
の男性が連行され、行方不明となる。
十五日には移民局職員が「どうしても立ち退かないならブルドー
ザーでバラックを壊す」と脅した。アフメドさんは「不安で夜も眠
れなかった」と話す。
避難民を支援するロシアの非政府組織(NGO)「メモリアル」
のバラホエフさんは「避難民がいる限り紛争終結を強弁できない政
府は、帰還を急ぐことでチェチェンの政情安定化をアピールしたい
のだ」と指摘。政府は帰還が強制的でないと主張するため、避難民
を脅迫してキャンプ立ち退きの「合意書」に署名させているという
。
実は、エルブカエフさん一家は電気が止められた後、近くの送電
線を夜間だけ家に引き込む「盗電」で明かりだけは確保している。
「移民局にばれたらどうするのか」と聞くと「そんなに出ていって
ほしいならやればいい。しかし、私たちにどこに行けというのか」
と語気を荒くした。(アキユルト共同=太田清)
(了) 021218 1621
[2002-12-18-16:22]
12/18 16:46 避難民の強制帰還 外信49
避難民の強制帰還とは イングーシ共和国にはなお約1万8千人
のチェチェン人避難民が残るが、ロシア政府は年内に避難民全員を
帰還させる方針を決定。背景には、帰還を早期に終了させた上で来
年3月にチェチェン共和国憲法制定のための国民投票を実施、その
後に連邦政府に忠実な共和国政府を発足させ紛争終結を宣言する狙
いがあるとされる。
プーチン・ロシア大統領は「強制的な帰還はさせない」と宣言し
ているが、米国、欧州連合(EU)、国連などは、避難民の意思に
反した人権侵害行為と強く批判している。
(了) 021218 1646
[2002-12-18-16:46]