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【ロンドン岸本卓也】当地で開催されたイラク反体制派の会議は17日、フセイン政権崩壊後の暫定政権づくりを準備する暫定執行委員会を組織して閉幕したが、各派は会議で発言力を確保しようと激しく対立し、将来に向け多くの火種を残した。暫定執行委は来年1月15日、イラク北部クルド自治区で初会合を開くが、前途は多難だ。
●執行委定員が倍増
暫定政権は連邦制に加え、立法、行政、司法の3権分立を導入する。行政の最高機関として3人の指導者による「統治評議会」を設置した。立法機関は各界代表による「暫定国民議会」を招集する。暫定政権樹立から2年以内に選挙を行い、正式に新政権を発足させる。
政権構想に反対は少なかったが、暫定政権づくりを準備する暫定執行委の人選に入ると各派が委員の数を奪い合った。結局、対立を鎮めるために当初の計画で30人だった委員会の定数は倍以上の65人に膨れ上がってしまった。
●派閥争いが激化
会議には寄り合い所帯のイラク国民会議(INC)、クルド人組織、イスラム教シーア派など米国が認定する主要6派に加えトルクメニスタン、アッシリアなど少数民族の代表も参加。だが、イラク共産党などは「米国の押し付けによる会議だ」とボイコットした。
暫定執行委の人選ではシーア派系組織の間の対立が激化。イランの支援を受けるイラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)の原理主義的思想に反発する他のシーア派組織が「SCIRIはシーア派の発言を独占した」と討議の途中で退場した。
●米国の影に疑念
暫定執行委の65人の詳細な派閥別人数は公表されていないが、SCIRIが最大派閥の33人を占めた。親米派のチャラビ氏が率いるINCに対してSCIRIは米国の影響力に難色を示している。米国が暫定政権の指導に乗り出せば、両派の亀裂が深まる恐れがある。
[毎日新聞12月18日] ( 2002-12-18-14:46 )