現在地 HOME > 掲示板 ★阿修羅♪ |
|
【ロンドン岸本卓也】ブレア英首相は16日、国会での答弁で、来年1月にパレスチナ指導者らを含む中東各国代表者や調停機関の国連などを招待した中東和平会議を英国で開催することを明らかにした。首相はイラク攻撃の準備に集中するブッシュ米政権に代わって英政府がパレスチナ紛争を解決する中東和平に積極的に取り組む決意を明らかにしたといえる。
ブレア首相が主導する中東和平会議にはパレスチナ、イスラエルの紛争当事者のほか、中東各国代表者、調停に影響力を持つ米国、ロシア、国連、欧州連合の4者が参加するという。実現すれば91年にマドリードで開かれた中東和平会議以来の規模となる。首相は再開される中東和平交渉について「ペルシャ湾岸の緊張や1月のイスラエル総選挙の行方に影響される」との見方を示した。
ブレア英首相は昨年9月の米同時多発テロの直後に「パレスチナ紛争の解決がテロとの戦いで重要である」と主張し、中東各国を積極的に歴訪した。今年に入ってパレスチナ武力勢力の自爆テロとイスラエル軍の攻撃が激しくなった際に、米国が介入したが、パウエル米国務長官の調停は失敗した。米国に代わる調停役として英国が乗り出すことになった。
また、ブレア首相は中東和平会議の開催を発表する直前にシリアのアサド大統領と会談した。シリア首脳として初めて英国に公式訪問した大統領はイラク問題について「戦争しなくても国連主導の平和的手段で解決できる」と述べ、イラク攻撃も辞さない米英との立場の違いを明確にした。
また、シリアがパレスチナ過激派を支援している問題について大統領は「テロ活動は支援していない」と反論した。一方、シリア各紙は同国が英国など欧州との関係強化で中東和平での影響力を保持しようという狙いがあることを示唆している。
[毎日新聞12月17日] ( 2002-12-17-10:49 )