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【バグダッド小倉孝保】国連の対イラク大量破壊兵器査察団本隊のバグダッド入り(25日)を前にイラクで最も影響力のある知識人の一人とされるバグダッド大学政治学部のワミッド・ナミド教授(61)が24日、毎日新聞のインタビューに答えた。教授は、査察によって米国のイラク攻撃が回避される可能性は低いとの見通しを示した。
教授はイラクに強い強制力で査察受け入れを迫った新決議について、「不当で、イラクの主権を侵すものだ。国際法に違反していることは明らかだ」と述べた。しかし、イラク政府がこれを受け入れたことについては、「米国との(当面の)衝突回避にはほかに道はなかった」とやむを得ない判断だったとの見方を示した。
そのうえで、25日に4年ぶりにバグダッド入りする査察団について、「正しい仕事をすれば、イラク内に大量破壊兵器がないことを証明することになるはずだ」としながらも、「米国はイラクの大量破壊兵器に関心があるわけではない。石油の利権を握ることとイスラエルの安全保障が問題なのだ。だから、査察がうまく行っても米国は別に攻撃の口実を作るはずだ。査察で平和が訪れるという幻想は持っていない」と述べた。
新決議ではイラク政府に通告することなしに、無条件にいかなる施設にでも立ち入りができるが、ナミド教授は「査察団が常識をわきまえたやり方をしなければ、イラク人の尊厳を踏みにじることになる」と査察の方法によってはイラク国民の反発を買う可能性があるとした。
一方、同教授は「ブッシュ米大統領は何が何でも戦争をするんだと妄想に取り付かれているようだ。世界の人々がこうした米国の姿勢に対抗してくれることを期待する」と最近、世界各地で盛り上がる反イラク攻撃のデモに期待をかけた。
[毎日新聞11月25日] ( 2002-11-25-14:03 )