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11/20 15:00 ロ、かいらい政権樹立へ 反テロ御旗に批判かわす 外信322
共同
ロシア・チェチェン共和国の独立派武装勢力がモスクワの劇場を
占拠、人質ら百二十八人が死亡した事件の発生から二十三日で一カ
月。プーチン政権は「事件は国際テロの一環」との主張を強め、連
邦軍など八万人の共和国からの段階的撤退を中止、軍事圧力の下、
かいらい政権を樹立する構えをみせている。
「チェチェン独立派はロシアだけでなく世界の敵」との宣伝で独
立運動弾圧との国際的な批判をかわし、「アキレスけん」とされる
チェチェンに事実上の直轄統治を導入する考えとみられる。
今月中旬、ブリュッセルで開いたロシアと欧州連合（ＥＵ）の首
脳会議。チェチェン問題の政治解決を求めるＥＵ側に、プーチン大
統領は「チェチェンは国際テロとの戦いの最前線だ」と激しく反発
した。
また東京の日ロ次官級テロ協議でもサフォノフ外務次官が武装勢
力と国際テロ組織アルカイダとの関係を力説した。
一方で大統領はロシア人のバビチュ氏を共和国首相に任命。来年
三月にもチェチェンが連邦の一部であることを規定した共和国憲法
を採択するため住民投票を実施、さらに議会や大統領の選挙へつな
げる手順を示した。
占拠事件で延期の方向だった住民投票を強行する背景には「今な
ら国際テロとの戦いを名目に軍事圧力を行使しやすい」（モスクワ
の外交筋）事情がある。
アルカイダ掃討を進める米国は「チェチェン独立派を国際テロ組
織のリストに入れることを検討中」（バシュボウ駐ロ大使）でチェ
チェンでの軍事支配と人権侵害を黙認する意向だ。
しかし、占拠事件後に連邦軍がチェチェンで行った無差別な掃討
戦は市民の犠牲を拡大。最近の下院公聴会でチェチェンでの戦闘経
験がある元軍人のバスカエフ議員が、連邦軍への恨みから市民が武
装勢力に加わる実例を認めた。
こうした状況下、来春の住民投票がクレムリンの思惑通り実現す
るかどうかはまだ流動的だ。欧州からは投票の公正さを疑う声も噴
出するとみられる。（モスクワ共同＝松島芳彦）
（了） ０２１１２０ １５００
[2002-11-20-15:00]
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。