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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20021118-00001011-mai-int
【ワシントン河野俊史】17日付の米ワシントン・ポスト紙は、イラク政策や「テロとの戦争」をめぐるブッシュ政権内部の確執を描いたボブ・ウッドワード同紙編集局次長(59)の新著「ブッシュ・アット・ウォー(ブッシュの戦争)」の抜粋を3ページ余にわたって掲載した。当初、米単独のイラク攻撃に傾いていたブッシュ大統領が、8月5日のパウエル国務長官との夕食を境に国連を介した解決へと路線を変更し、国連演説(9月12日)の前日になって新たな安保理決議を目指す方針を固める経緯が詳細に検証されている。
新著は、ウォーターゲート事件のスクープで知られるウッドワード氏が昨年9月の米同時多発テロ後の米政府の政策決定過程を100人以上の関係者のインタビューや国家安全保障会議(NSC)のメモをもとに再構成したもの。ブッシュ大統領自身も4時間のインタビューに応じている。
同紙に掲載された抜粋はイラク政策に関する部分。政権内で孤立を深めていたパウエル国務長官は、盟友のアーミテージ国務副長官の進言で、今春の遅い時期から週1回程度、ブッシュ大統領と直接面会するようにした。必ずライス大統領補佐官(国家安全保障担当)が同席したが、今夏、初めて大統領と二人だけで30分間話す機会を得て打ち解けた空気になった。
強硬派の影響で米単独でのイラク攻撃が現実味を帯びていた8月5日、ブッシュ大統領はパウエル国務長官とライス補佐官をホワイトハウスの居住区に招き、夕食を交えて2時間にわたってイラク問題を協議。この席で、パウエル国務長官は米単独での行動が、中東情勢や経済の観点からいかにリスクの高いものであるかを力説し、国連を巻き込んだ解決しか選択肢がないことを直言した。ブッシュ大統領はパウエル国務長官に礼を言い、この日を境に路線を大きく転換したという。
チェイニー副大統領はぎりぎりまで安保理で新決議を求めることに反対したが、ブッシュ大統領は国連演説の前夜になって演説草稿に「安保理の新決議を求める」というくだりを挿入する考えをパウエル国務長官に伝えた。しかし、演説用の草稿が古いままだったため、ブッシュ大統領は新決議に触れない演説をしたあと、慌ててアドリブで内容を修正した。新著を紹介した16日付のワシントン・ポスト紙によると、同書は北朝鮮をめぐる問題にも言及し、ブッシュ大統領が金正日(キムジョンイル)総書記を「大嫌いだ」と語る場面などが描かれている。(毎日新聞)[11月18日11時10分更新]