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★ もともとの出来事を知らなかったのですが...
川崎市川崎区の古書店で万引きをして逃げた中学3年の男子生徒(15)が踏切で電車にはねられ死亡した事故で、「人殺し」などと非難を受けて廃業を宣言した古書店の男性店長(44)が1日、川崎市で記者会見し「いろんな意見を聞いて結論を出したい」と廃業を再検討することを明らかにした。この問題が新聞などで報道された1月31日以降、1000件を超える激励が届いたことがきっかけになったという。取りあえず3日に店を再開し、その後、存続か廃業かを最終的に判断する。
会見には、古書店がフランチャイズ契約を結んでいる会社の事業部長が同席。事業部長によると、「店をやめないで」などの店長への激励がメールで700〜800件、電話などで200以上届いた。
店長は「激励してくれる人の多さが分かった。(多くの激励を)結論を出すための考慮に入れたい」と話した。店は最終的な結論を出すまでは続けるという。
店長によると、事故後、店に約20件の非難の声が寄せられた。「配慮が足りない」「人殺し」などもあり、事故の3日後から多くなった。店長は「(自分に)落ち度はなかったが、少年の死との折り合いがつけられなかった。閉店が納得される形かと思った」と当時の心境を語った。
廃業を宣言する紙を店に張り出した後も「家に引きこもっていた。気持ちの整理をつけるため、テレビなどは見なかった」と打ち明け、苦渋を抱える胸の内をのぞかせた。【高橋慶浩】
◇店頭に謝罪文 事件の経過
川崎市川崎区の古書店で1月21日、万引きした中学3年の男子生徒(15)が逃げ、電車にはねられ死亡した事故があった。直後から、書店に「人殺し」「配慮が足りない」といった非難の電話などが相次ぎ、書店店長は同26日、突然、書店を休業したうえで、店頭に謝罪文を張り出し「閉店・廃業することにした」と告げた。店側は男子生徒が漫画6冊を盗んだのに気づき、110番通報。生徒は川崎署員に任意同行を求められて逃走した。
◇本社にも多くの反響
「世の中が変だ」「悪いことをとがめて、なぜ非難されなければならないのか」――。この問題では毎日新聞にも多くの反響が寄せられた。どれもが、不正行為に毅然(きぜん)と立ち向かえない風潮の広がりを懸念する声だ。
「書店に『人殺し』と言ってしまう世相に大きな怒りを感じます。『万引きはそう悪いことではない』という感覚が、私たち自営業者を苦しめています」。北九州市でコンビニエンスストアを経営する女性(45)は万引きの実害の大きさを訴える。「朝、息子と同じような少年、昼、同世代のサラリーマン、夜、母と同年齢の老人を捕まえた日など、やりきれなくなります。『悪いことを注意する』。それは大人が毅然とした態度でやるべきです」。
埼玉県の主婦(40)からは「万引きは犯罪だと、いったいだれが説明してやるのでしょうか。正義がなくなっていく昨今をうれえています」との声が寄せられた。
また「世の中が変だ。なぜ万引きを注意した店が非難を浴びるのか。少年が亡くなったことは悲しいし、つらいが、注意したことは間違ってません」という神奈川県の主婦(34)からの意見もあった。 【川久保美紀】
◇記者会見でのやりとりは次の通り。
――閉店を決めた経緯は。
店長 特に落ち度はなかったと思っているが、それと1人の少年の死との折り合いがつけられなかった。こうしておけば良かったと指摘されれば、否定できないし、端的に「人殺し」という表現もあって、精神的につらくなった。これまで万引きに何件も対処してきたが、結果的に不幸な事故が起こった。自分の考えと違う意見を持っている方が多くいるのも分かり、苦渋の決断だが、閉店が皆さん納得する形ではないかと、その時点では思った。
――「人殺し」という非難も電話でか。
店長 店に来た人に言われた。電話でも似たニュアンスの言葉があった。
――どんな人から非難があったか。
店長 声から判断してだいたい30〜40歳以上。女性が若干多かった。(名を名乗った人は)いない。
――激励もあったのか。
事業部長 (会社に)1000通以上あった。うちメールが700〜800通。「頑張って、店をやめないで」という意見が大多数だ。
店長 大変ありがたい。激励してくれる方が多くいることが分かりうれしい。
[毎日新聞2月1日] ( 2003-02-01-22:45 )