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無資格で3800人に腸内洗浄
エステ経営者ら逮捕
医師の資格がないのに客の腸内を洗浄していたとして、警視庁生活環境課は十四日までに、医師法違反の疑いで東京都江東区永代一、エステティックサロン「グレース」経営者安斉清美(43)=同区木場二=と、従業員斉藤勝江(54)=東京都中央区佃二=の両容疑者を逮捕した。
腸内洗浄はダイエットや大腸がんの予防に効果があるなどとして美容整形などで二万−三万円の料金で行われているが、同店では一万円の格安料金のふれこみでインターネットを使って客を募集。客は北海道や沖縄からも通っており、昨年十月までの三年間で約三千八百人を集め約八千八百万円を売り上げていた。
調べでは、安斉容疑者らは二〇〇一年十二月から昨年十月まで、無資格で千葉県の女性(25)ら同店の客計十人に対し、三十四回にわたって腸内洗浄を行った疑い。
同店の腸内洗浄は肛門からノズルで腸内に温水七リットルを注入、排せつを四回繰り返す。同課によると、十人のうち都内の女性(28)が洗浄が終わって帰宅する途中に腹部に激痛を訴え、救急搬送された。さらに横浜市の女性(29)は洗浄の翌日、肛門から出血して病院に行くなど七人が不調を訴えていた。妊婦への腸内洗浄は危険を伴うが、後から妊娠が分かった客もいたという。
洗浄用の機器は通常三百万−七百万円するが、安斉容疑者は北区の町工場に四十万円で発注。また、器具の煮沸消毒もしていなかったという。
江東保健所が〇一年二月に医師法違反の指摘をしたが、安斉容疑者らはそれ以後も施術を続けており、調べに対し、「もうかるからやった」と供述しているという。