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他人や架空の名前を使って契約された携帯電話が、インターネットなどで盛んに売買されている。利用料金が自分に請求されず人に負わせることから、「飛ばし携帯」と呼ばれる。ヤミ金融業者が返済に窮した多重債務者に契約させて、売りに出すケースも目立つ。購入者は「匿名」のまま電話を使えるため、犯罪に悪用される恐れがあるとして、大阪府警など警察当局は警戒を強めている。
「2カ月かけ放題」「裏商売の必需品」――。こんなうたい文句が、インターネットのホームページや掲示板に頻繁に出てくる。
電話料金の請求を無視しても、携帯電話会社が利用停止にするまでの約2カ月間、使い放題にできるうえ、利用者が特定されないのが飛ばし携帯の特徴。通常、メール機能やデジタルカメラ付きの最新機種が2万〜8万円で販売されている。
ホームページの中には、「利用例」として、テレクラ・伝言サービス▽不法滞在の外国人▽ストーカー▽詐欺師、などと紹介したものもある。一部は、顧客が指定した名義で携帯電話が入手できる、とうたっており、府警は「パソコンで作成した偽造証明書を使って契約しているのは明らかで、有印私文書偽造にあたる」(幹部)と判断。料金踏み倒しを前提にした販売行為についても、詐欺罪に該当する可能性が高いとみる。
利用料金さえ支払えば、長期使用も可能だ。多くの携帯電話販売代理店では、来店して電話番号を告げるだけで契約が継続でき、身分を隠したままで飛ばし携帯が使用し続けられるという。
府警は11月、売春防止法違反容疑で逮捕した大阪市内のデートクラブ経営者宅から、他人名義の携帯電話5台を押収した。経営者は無店舗型のヤミ金融も営んでおり、債務者から実名で契約させた携帯電話を次々に取り上げ、その電話番号をチラシに印刷して営業活動に使っていたという。
「大阪クレジット・サラ金被害者の会」には、飛ばし携帯の名義人にされた多重債務者から今春以降、相次いで相談が寄せられた。借金の取り立てに来た男から「携帯電話を契約すれば2万円渡す」と持ちかけられ、その後、電話会社から数十万円の請求が来たケースもある。同会の弁護士は「電話はヤミ金融業者などに転売されているようだ。債務者の弱みにつけこんで契約させた携帯電話が、ヤミ金被害を広げている」と話している。
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福岡県警は今月初め、大野城市の貸金業者を出資法違反(高金利)容疑で逮捕した。調べでは、知事の登録を受けずに00年6月〜今年9月、5人に計36万円を融資。最高で法定金利の約297倍の利息を取った疑い。チラシなどで携帯電話の番号を宣伝する「090金融」で、この業者が所有していた携帯電話6台の一部は、債務者に契約を結ばせていたという。
弁護士や司法書士らでつくる「福岡クレジット・サラ金・ヤミ金被害者対策協議会」は20日、悪質な業者58社について、出資法違反の疑いで告発状を県警に提出した。同協議会によると、飛ばし携帯の名義人にされた多重債務者から相談が相次いでいるという。
70代女性もその一人。娘の結婚資金に困り、消費者金融で借りたが返済が滞り、090金融で融資を受けた。返済に困ったところ、業者から「携帯電話を契約すれば、何とかする」と言われ、電話会社3社と契約。女性は一度も使用していないのに、電話料を計約50万円請求されたという。
同協議会の弁護士は「090金融の業者は、警察などに電話番号から身元が判明されないように、多重債務者に契約をさせている」と話す。 (12:02)